QuickSilver に冷却ファンを追加する
2006/07/09 追記


1.はじめに

QuickSilver 867MHz の寿命を延ばすために Giga Designs のアクセラレータを入れてから熱対策で色々悩み、最終的にサイドスリッターでサイドパネルに隙間を空け、CPU ファンを風量が十分な物に変更するという方法に落ち着いていた。しかしながらやはりサイドパネルが開いているという不安定さと、開いているがために聞こえるファンの騒音が気になる。

そこで、以前にどこかのホームページで見かけた QuickSilver の筐体に穴をあけてファンを取り付けるという改造を試みる事にした。

今までに色々試してみた結果、 QuickSilver の筐体を出入りする空気の量が少なく、そのために庫内の温度が上がり、CPU が冷やされない事が分かってきた。

空気の出入り口は3つ、CPU ファン後部からの吸い込み、筐体内の 12 インチファンによる排気、電源ファンによる排気であるが、この標準の状態だと CPU ファンからの吸込み量が少なく、といって 12 インチファンを吸気方向に変えても今度は吸い出し量が十分ではなく、サイドパネルを開けて漸く冷たい空気が CPU に十分に供給され、冷えるという状態であった。

この事から QuickSilver の筐体にもう一つ穴をあけてやり、そこから不足している空気を供給、もしくは排気しきれていない空気を吸い出す事にする。

2.筐体の加工

筐体に穴をあける訳だが、現在稼働しているマシンの筐体を直接加工するのもちょっと気が引けるので、オークションで筐体だけを手に入れた。

光学ドライブの上部、電源ユニットの前部4cmのあたりに8cmファンを取り付ける。

位置決めしてネジ穴をあけ、次にファン部分をくりぬいて行く。

くり抜いている最中にトラブル発生。ハンドニブラがブッ潰れた。
長年使い込んでいてがたがきていたのは確かだが、刃の部分も逝ってるが、それよりも本体側が割れてしまったのが致命的。金属疲労で割れたようである。
仕方が無いのでニブラでくり抜くのはあきらめて、ドリルで円周上に穴を開けて、プライヤーでばきばき引きちぎって穴をあける。バリはドリルの先にヤスリを付けて磨いたが、ニブラで切り取った部分に比べると仕上げは粗い。また引きちぎったために天板にゆがみが入ったので、ハンマーで叩いて適当に修正し、ファンを取り付け。

化粧天板の加工。

空気が奇麗に抜ける様に 5mm の穴を複数あけたのだが...

3.結果

まずは化粧天板を付けずに冷却状態のテスト。

天板ファン+CPUファンで吸込み、筐体ファン+電源ファンで吸い出し方向でセットした所、室温 22度位で CPU 温度が 55度程度。

筐体ファン+CPUファンで吸込み、天板ファン+電源ファンで吸い出し方向でセットしても、室温 22度位で CPU 温度が 55 度程度である。

今までなら 70度程度まで上がっていたので相当な冷却能力アップである。やっぱり QuickSilver の筐体は、絶対的な空気の流量が不足している事を証明した様な物である。

十分な冷却効果があった事を確認したので、化粧天板等を取り付けて、奇麗に組み上げて再度温度を確認した所、「あれ?温度が上がっている!」。それまでは 55 度前後で安定していたのが、 60〜65 度あたりまで上がっている。

もしやと思って化粧天板を取り外すと 55 度程度まで下がる。

テストしてみた所、あろう事か新しく付けたCPUファンの空気流量を1/4程度減らすだけでCPU温度がどんどん上がってしまう。さすがにここまでエアフローが不足しているとは思わなかった...

仕方が無いので取り敢えず化粧天板を外し、危険防止にガードを取り付けて使用する事にする。

この状態で十分にCPUの温度を下げる事はできたが、今度は上部に開けた穴から中のファンの音が漏れてきて非常に気になる。せっかく色々とファンを取り替えて大分清音化したというのに(その後冷却能力を上げたためにちょっと音が大きくなったが)、天板に穴を開けたために筐体内のファンの音が直接聞こえる様になってしまい、爆音マシンに逆戻りである。特にやかましいのがCPUファンで、次がアクセラレータの冷却ファン。

そこで最後にこれらのファンを静穏タイプに変更したのだが、その分CPUのヒートシンクに当たる風量が減ってしまったため、5度程温度上昇。まあ、でも許容範囲内かな。

4.追記1

冬の間は問題無く動作していたのだが、急に熱くなり始めた今年の5月、CPUの温度が70℃近くまで上がってマシンフリーズ。

急いでアクセラレータのファンを標準に戻し、CPUファンを高速な物に変更して冷却効果を上げる。また筐体ファン(吸出し)+天板ファン(吸込み)にしていた物を、筐体ファン(吸込み)+天板ファン(吸出し)に変更して、下から上に空気を流す様に変更。

これでCPUの温度は50℃〜60℃の範囲で安定。

5.追記2

ファンを高速な物に戻して安定していたCPU温度だったが、7月に入って日中30℃を突破する様になってくると、60℃を突破する事が多くなってきた。

加えてハードディスクを換装したところ、発熱量が増えたのか、65℃を突破して危険ラインの70℃に近づいてくる。

致し方なく、一度取り外したサイドスリッターを再度取り付ける。

これでCPU温度は60℃前後で動作する様になったが、果たして今年の夏を乗り切ってくれるのか、一抹の不安を残す。

これ以上の対策となると、水冷しか無いぞ...。


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