ETC導入

2005/08/23


1.はじめに

世の中の「正直者が馬鹿を見るシステム」は何時までたっても変わらないようで、偽造回数券の所為でとうとう阪神高速の回数券が使えなくなり、西名阪道の回数券も今月一杯が命である。細々と命を繋いでいたハイウェイカードも引導を渡される事が決まった。
運輸省(国土交通省)の天下り団体に冥加金を納めるのもしゃくではあるが、東京ディズニーリゾート※1に女房子供を運んでいかなければならない予定が後押ししてETCの導入を決心する。

そこで ECTを導入するにあたって助成金等等色々調べてみたが、既にほとんどのサービスが終わっており、オートバックス等の「カードを作ってくれたら何千円キャッシュバック」程度しかない。それで安くなれば良いのだが、バックスだと車載器がそんなに安くないのに加え、セットアップ料(ORSEへの冥加金)まで取られて結構高くなる。
どうせ取り付けは自分でするしセットアップされた車載器だけが安くで入れば良いと探していると、ありました、楽天市場の「STYLE MARKET」で Panasonic CY-ET900D がセットアップ料込みで 13,020 円(税抜き 12,400円)。他にもうちょっと安い店があったが、ここはなんと言ってもオンラインセットアップ店でセットアップがその場で出来る。楽天から8月8の夜中に注文、8月9日の午前に注文受付のメールをもらって午後から代金の振込と車検書をFAXした所、その日にセットアップ完了で発送。8月10日の午前中に到着した。これは早い。

ちなみにこの機種にした理由はアンテナと本体が分離型であった事と本体が小さい事、そしてアンテナとスピーカーが一体型であった事である(そして価格が手頃だしね)。なんせうちのフォレちゃんのダッシュボードには、右はナビのスピーカー、左はナビのアンテナ、そして中央にはVISCの巨大なアンテナ(古いので)と所狭しと並んでいるためこれ以上物を増やしたくない(増やせない。だからアンテナ一体型は論外。)。また運転席は結構タイトなのでダッシュボードの下に何か付けると足が当たって邪魔で仕方ないし、出来ればセンタコンソールボックス内にETC本体を納めたかったのである。

ところでETCの車載器の購入を決心してから、とりあえず先にETCカードの申し込みはすませてしまった。だってETC車載器は店頭にいけばすぐにでも手に入るが、ETCカードは届くまでに週単位で時間がかかるしね(また発行料も維持費も無料だし)。
でもこいつのおかげでまた財布にカードが1枚増えてしまう。JCBにはクレジットカードと一体型の物があったのだが、残念ながらうちの提携カードは切り替える事が出来なかった。同じICカードなんだから一つに出来れば良いのに※2


※1: 余談だが、TDR(Tokyo Disney Resort )と聞くと昔のヤマハのバイクを思い浮かべてしまう。
※2:どうもカード会社はカード番号を変えずにカードの種別を変えるという事を嫌う。それならそれで新カードに旧カードの支払い設定を全て移す事が出来れば構わないのだが、それも完全にはしてくれないし、と言って現在の支払い設定を全て教えてくれるかと言えばそれもしてくれない。結構客を舐め切った商売をしているが、今の世の中無いと困るしなぁ。

 
2.必要な物
  1. 材料
    • ETC 車載器(セットアップ済み)
    • 電源取り出しのための端子等
    • 電線 少々
  2. 道具
    • プラスドライバー
    • 10mm ラチェット
    • ペンチ
    • ニッパ
    • 圧着ペンチ
 
3.準備

まずはとにかく電源の取り出しである。アクセサリー電源(AAC )と常時オンのバッテリー電源(+B)が必要であるが、今回は何かに使うかもしれないと先日ヒユーズユニットから取り出しておいた電源端子を使ったので楽であった。

まずはコネクタの作成。ぴったり合う物は無かったので、エーモンのスピーカー用平型端子のメスを一部切り取って合う様にし、ケーブルに圧着する。

写真は運転席の右膝の所にあるヒューズユニットの上の方にあるコネクタ。
このコネクタの開いている端子(何もケーブルがささっていない)所に ACC が来ているので 、ここに作った電源取り出し用コネクタを差し込む。
(あくまでもうちのH9年式C/20の場合)

常設電源(+B)は空いている端子には出ていなかったので、下のケーブルに取り出しコネクタを噛ませて出力する。

 

 
4.本体の取り付け

これが本体とアンテナ兼スピーカーと箱。
意外と小さくって届いた時にはちょっとびっくり(と、開けるまでは本当に中身が入っているのか一抹の不安があった)

付属品は、アンテナスピーカー、電源ケーブル、取付けステーと両面テープ、アンテナ線固定用のスポンジテープ、と言ったような物が入っている。

取り付けを開始する前にとりあえず電源を繋いでETCカードを入れて動作確認を行ったが、問題無く動作してホッ。
(ここの所当りが悪く、買う物買う物初期不良で修理に出し続けていたので...)

これは本体。隣にあるのはカセットテープ。テープは薄型のケースに入っているが、ETCの本体はほとんどそれと大きさも厚さも変わらない。

本体の後ろにアンテナ線と電源ケーブルが刺さるので、本体の長さに加えて2cm程度の余裕が必要である。

アンテナ兼スピーカーの取り付け。
取り付け場所はフロントウィンドウ中央部より助手席側。
どうせミラーに隠れるので、少しでも音が聞きやすい様に運転席サイドに付けても良かったのだけれど、気分的に「運転に邪魔にならない」方に取り付けたかった。
でももう一つの理由は、実はこのアンテナのケーブルの長さは 3.5mしかなく、センターコンソール内に付けようとすると結構ぎりぎりの長さになる。そのため少しでもケーブルの長さを稼ぐために助手席側に取り付けたというのもある。

 

アンテナからのケーブルは、付属のスポンジテープを所々に巻き付けてフロントウィンドウと内装との隙間に押し込みながら助手側へと引っ張る。そこからAピラーのカバー内を通しながら下へと延ばす。
Aピラーの中を通っておろしてきたアンテナケーブルはアンダーカーペットを剥いでセンターコンソールボックスの方へ斜めに引っ張る。
今回は作業性を良くするためにグローブボックスの部分を取り外した。グローブボックスは下部の左右2本とボックス内の左右真ん中の3本、そしてドア側のサイドのプラスティックのネジ1本で止められているので、そいつを緩めて取り外し。

カーペットの下を通して引っ張ってきたアンテナケーブル。
最短ルートで引っ張ったので(ただしちゃんと遊びは持たしている)少し余裕が出た。

電源ケーブルは運転席側から引っぱってくるが、こいつはなんでこんなにと言わんばかりにもうケーブルが余りまくる。アースはシフトノブのカバーのネジ部に取る。

センターコンソールを取り付けて、車載器とアンテナ、電源ケーブルを接続し、車載器本体を両面テーブで固定。
二種類のケーブルはコンソールボックスに穴をあけるのも嫌だったので、端の方からコンソール内に入れる。
もっと奥(下)にも取り付ける事は出来るが、あまり奥に入れるとカードの抜き差しがやりにくいため、またあまり上に取り付けるとカードを挿した時に飛び出てくるカード取り出しレバーがコンソールの蓋にあたってしまいそうだったため、この位置に決定。
後で考えてみると付属の取り付けブラケットを使えばもう少し車載器とコンソールとの間に隙間を作る事が出来るので、カードが取り出しやすくなったのではないかなあ。
 
5.結果

取り付け後の確認では問題は見受けられなかったが、職業柄電子機器やコンピュータを盲目的に信じるなんて事は絶対に出来ないので、やっぱりテスト無しでいきなりETCのゲートを通るのはむちゃくちゃ怖い。
という訳で、最初は絶対に「ETC/一般」 のゲートを通って確認しようと思っていたのだが、なんとまあ、取り付け後初めて出かけて初めて入る近畿道のゲートには「ETC/一般」が無い...。
今更 「一般」のゲートに入るなんて事も考えられず、もう本当にドキドキドキドキしまくりながら、根性を据えて「ETC」専用ゲートに突っ込む。
初めてなので30Km/hぐらいでゲートに入るが、バーがどんどん近づいてくるのになかなか開いてくれず、「こりゃいかん!」とブレーキを掛けようとしたその時に「ピー」と車載器からビープ音が鳴ってバーがすかっと上がってくれる。(ほんと、よかった〜)
何となくゲートに侵入し始めた辺りで反応してくれてゲートが開くんだろうなぁと思っていたのだが、実際にはゲートの中央部辺り、フロントウィンドウに取り付けたアンテナがゲートのアンテナの真下辺りまで来てようやく開く。その時には車の頭が既にゲートの真ん中を過ぎているので開くタイミングが非常に遅い感じがするのね。

でまあ、結果的にETCの動作は全く問題無く。根性入れて50Km/hまで速度を上げて通過してみたが、大丈夫。ただし通過速度が40Km/hを超えると非常に怖く、精神的に大丈夫じゃない。
表示されている「20Km/h」では盲目的に機械を信じる馬鹿が後ろから突っ込んできて事故になりそうだから、30〜40Km/hが通過スピードとして妥当な所かな。

ちなみにこれでノンストップでゲートを通れる様になったのはうれしいのだが、ゲート通過後に「料金はxx円です」と正札が通知されるのがどうもうれしくない。今までは金券屋で回数券を買っていて1割以上安く上がっていたのに...。がんばって5万円の先払いをするしかないなあ。


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