分解&塗装編

 

弟が持って来てくれたのがこの2台の NSR50。

調べた所、両方とも 1987 年製、初期型 NSR50(H)。

一見それほど程度が悪いと思わなかったのだが、よくよく見てみると、まず各所の錆が酷い。

チェーンがサビサビなのは仕方無いとしても、フレームもあちこちに錆が浮いており、ハンドルも内部がボロボロ。ホ イールも塗装の下から白い錆が浮き上がっている。

致命的なのはフロントフォークで、片方は点錆というより面錆と言った状態で、メッキがぼろぼろに剥げて使い物にな りそうに無い。

幸いもう一方は摺動部分に錆が無く、磨けば何とか使えそうだったのが救い。

またタンクはこの2台の他、予備を1つ持って来てくれたのだが、中をのぞくとやっぱり錆だらけ。錆のコロニーが盛 り上がっている所もあるが、まだ真っ赤っかじゃないだけマシなのかという感じ。

タイヤは完全に終わっているが、ホイールは曲がりはなさそう。カウルはレース用で保安部品が付かず、これは使えな い。

ステップ等の部品はあったりなかったりで揃っておらず、メータも片方はタコメータしか付いてない。

貰うまでは、フロントフォークとキャブレターのオーバーホールをして、タイヤとチェーンを換えれば動くかなと思っ ていたのだが、とんでもない誤算だったとちょっと青ざめてくる。

 

どう見てもニコイチにするしかないので、何はともあれ分解開始。

さすがに原付はパーツも少ないし軽いので、バラし易い。

まずは「程度がいい筈」と言われたフルカウルの奴をバラしたのだが、エンジンハンガーのシャフトもスイングアーム のピポッドシャフトも素直に抜けず、フレームが歪んでいる感じだ。

引き続き2台目もバラしたが、ブレーキのマスターシリンダーのリザーバータンクは酷く削れ、レバーは動くものの、 キャリパーはびくともせず、完全に固着している。

テールランプユニットは片方にしか無く、且つレンズが割れ、ハンドルはどちらも先端が削れ、曲がっていないのは2 台合わせて1セットのみ。

ノーマルマフラーの方は削れ巻くり、チャンバーの方は赤さんま。

フロントのブレーキローターはまだしも、リアのローターは物凄い段付きで削れていて、片方は使用に耐えず、もう片 方も出来れば使いたく無いレベル。

冷却水も抜いてなかった為に、リザーバーの中にコケの様なものがあるし、普通に考えたら、やっぱりこれはくず鉄だ よなぁ (--;

バラした結果、2台目の方がフレームの状態は良さそうなので、というか、片方はボールレースに傷があってアンダー ステムを振るとカクカクするので、マシな方こちらを使う事にする。でも、どっちもどっちだが、あちこちに錆が浮きま くっている。

表面に出ている錆はもちろん、塗装にミミズが這った様な後があるのでワイヤーブラシで剥がしてみると、まあでてく るでてくる錆の山。

こりゃぁフレームの再塗装しか無いなぁという事で、まずは塗装を剥ぐ為に重力式のブラストガンとガーネットサンド を買ったのだが、ブラストを開始して間もなくコンプレッサーがいかれて圧が上がらなくなった。

仕方が無いのでドリルにワイヤーブラシを取り付けて、錆の浮いている部分をごりごりと落とし、パーツクリーナーと 洗剤で洗浄してアサヒペンの錆び止め塗料(1液性エポキシ)をスプレーする。

スイングアームもさびが大分浮いているので、同じくワイヤーブラシで錆び落し。

ミミズの様な錆の痕をワイヤーブラシで剥がしていたら、結局ほとんどの塗装を剥がす事になってしまった。

ちなみに出来ればピポッドの軸受けを交換しようと思ってたのだが、この初期型はベアリングじゃなく、メタルが埋め 込まれているので交換不能だった。

これはステルス機じゃなく、トップブリッジ。

錆び止め塗料を塗った後、ホームセンターの大安売りシルバー塗料とクリアー塗料で塗装。

フレームもホームセンターのシルバーとクリアーで塗装。

下地こそ1液性エポキシの錆び止めを使ったが、上塗りにエポキシ塗料なんて高価なものは使えない。

ハンドルは曲がってないのが1本ずつあったので、それの錆を落として塗装。

バーエンドの差し込み部分が折れて中に残っていたのだが、ラジオペンチを突っ込んで無理矢理引っ張ったら、無事抜 けた。

スイングアームもフレームと同じく錆び止めとそうした後、同じ様にシルバーとクリアで塗装。

ステアリングステムはサピを落とし、同じくホームセンターの安売り黒スプレーとクリアで塗装。

取り敢えずこれでフレームの塗装は一式終わりかな。