ガソリンタンクの補修

 

ガソリンタンクは車体に付いていたのが2つと、予備の1つの合計3つを持って来てくれてたのだが、残念ながら3つとも内部は錆だらけ。

でもまぁボロボロという訳でもなく、錆処理をすれば使えそうな感じだったので、その中でも一番マシそうな奴を使う事にした。

使うにあたってまずは外側からのチェックをして行った所、タンクの下部の塗装の下にミミズの這った様な痕があちこちにある。

ドリルの先にワイヤーブラシを付けて、その浮いた塗装を剥いでみた所、錆登場(涙)

 

外部からの錆ならワイヤーブラシで落としてとそうしてしまえばいいや、と思っていたのだが、その錆をイヤーブラシで落としていたら、表面じゃなく、内側から出て来ている様な感じの部分が出て来た。

いやぁ〜な予感に包まれながら軽くちょんと突いてみると、「ポコン」と穴が開くじゃないか (T^T)

これは補修しないとダメだなぁ。

という訳で、ハンダ板金で穴を埋める。

3カ所程補修したが、幸いそれほど大きな穴は無く、真鍮メッシュを使ったのも1カ所ですんだ。

穴を塞いだ所で錆取り開始。

錆取り剤は「花咲かG」を使おうと思ったんだけど、錆が外側まで貫通してしまっている部分があるので、「POR-15 タンクリペアキット」を使う事にした。

これは洗浄剤と錆処理剤、そしてタンクシーラー(コーティング剤)がセットになったもので、豊中のSTRAIGHT まで出かけて購入。

キタコからも同じのが出ているけど、 STRAIGHT に比べて千円程高いので (^^;

早速処理開始。

まずはタンクを良〜く水洗い。

次にタンクコックに蓋をして「MARINE CLEAN」という洗浄剤をタンクに 500cc 入れ、給油口を蓋して全体に行き渡る様にタンクをひっくり返したり揺すったりする。

一旦蓋を開けて熱いお湯を同量(500cc)注ぎ、また蓋をして、全体に洗浄剤が行き渡る様タンクを揺すり、その後3日程、時々揺すりながら放置。

排出した洗浄液は真っ茶色。うげげっ、こんなに汚れていたんだ、という感じ。

次にタンクを何度も何度も良〜く水洗いして、錆処理剤の METAL READY を1本丸ごと(1L)投入。

タンクに蓋をして揺すったりひっくり返したり、1日掛けて錆取りしてみたが、元の状態が酷いので、3日ほど漬込む事にした。

花咲かGに比べて効きがナローだという話を聞いていたのだが、注油口の周囲とかを見ると、ちゃんと錆が落ちて来ている。

処理剤を排出した直後は変色した錆の痕がボツボツと見えていたのだが、水洗いして、ドライヤーの送風でほぼ丸一日乾かした後では全く様子が変わり、タンクの内部が鈍い銀色の皮膜で覆われていた。

おおっ、これがリン酸の皮膜か。

完全に乾燥させた後、いよいよタンク内部を POR-15 でコーティングする。

要は今までの作業は全てこの為の下準備とも言える。

割り箸で缶の底からしっかりと丁寧に、だまが残らない様に十分かき混ぜてから、全量をタンクに投入する。

でも、完璧にかき混ぜたつもりだったのに最後にちょっと固まりが残ってしまい、それはタンクに入らない様、缶の中に残した。

ちなみに、このコーティング剤は1液性のエポキシらしい。で、1液性のエポキシは大気中の水分で硬化するんだけど、直接水に触れると急激に、発泡する様に膨れ上がって硬化するらしく、その為に完全にタンクを乾燥させる事が必要だそうだ。

で、これがまた流れ難い液体なのだが、タンクを傾けたりひっくり返したりしながら、タンクの内部全体にコーティング剤が行き渡らせる。

オーバーフローのパイプが内部を通っているんだけど、最初こいつまで中々コーティング剤が行き渡らず、付属の筆(柄付きスポンジ)を突っ込んで塗ったろうかと思った。

でも、そうこうしているうちに全体に行き渡ったので、残りの液を排出。

給油口からは出て来ないのでコック側から抜くんだけど、これまた最後は少しずつしか抜けないのでちょっとイライラ。

全量抜く事は不可能なんだけど、じゃあ、例えば全部抜けなかった場合にガソリンタンクの容量がどれだけ減るかというと、230cc 程度。

最初は「全部抜かなくっちゃ」とテンパリ掛けてたけど、NSR50 のガソリンタンクの容量は 7.5L なので、それが 7.25L に減ったからってどーって事無いやと考えたら一気に気が楽になってしまった。

最終的にもとの缶の半分以上まで液が戻って来たので、十分に排出出来た感じ。

で、こいつの乾燥には 72 時間(3日)程度必要なので、次の週末まで放置したあと、いよいよ再塗装の開始。

最初に電動ドリルの先にワイヤーブラシを付けて表面の塗装に傷を入れた後、ホームセンターで買って来たアサヒペンとニッペンの塗装剥離剤を使ったんだけど、まあ威力が無いのなんのって。

ちょこちょこっとしか塗装が浮いて来ず、スクレーパーで浮いた塗装を剥ぐよりも、直接塗装を削り落としている部分の方が多い。

これじゃダメだし、ガスケットリムーバーがいいという話を聞いていたので、値段をネットで調べていたら、どうやらホルツのペイントリムーバーが強力らしいという話を仕入れた。

そこでオートバックスでホルツのを買って来て試してみた所、やったね、アサヒペンやニッペンのとは比べ物にならないぐらいの強力さで、ガンガン塗装を浮かして行く。

で、浮いた塗装をスクレーパーとぼろ布で除去し、洗剤で全体を洗って剥離完了。

 

次にタンクの凹みの修理。

最初、ちょっとだけお金をケチって練り合わせるタイプのエポキシパテ(造形用)を買ったんだけど、結局それでは量が足りず、厚づけパテを再度買う事になってしまった。

変にケチっちゃいけないねぇ (--;

エポキシパテと薄付けパテで凹みを成形し、フレームを塗った時に余っていた錆止め塗料を塗って下地とした。

ところがこの通り、修理した痕が丸く平に浮かび上がって来た訳だね。完全にパテの盛り方が不足している。

再度エポキシパテをを盛り上げて成形し、全体にプラサフを吹き付けた後、600番、1000 番の耐水ペーパーで表面を研いで、塗装準備完了。

塗装開始。

タンクを中性洗剤で洗って良く乾かした後、シリコンリムーバーを噴いてペーパータオルで拭き取り。

次に塗料を噴くのだが、まずは足付けとして全体に軽く噴き、数分乾かしてはまた薄く噴くというのを数回(十回近く)繰り返して色を乗せて行く。

ちなみに、自分では黄色かオレンジ、そうじゃなければブルーと思っていたのに、かみさんが非常に強く「グリーン」を押すもので、ついついブリティッシュグリーン風に塗装する事になってしまった。

最後の方は塗料を乗せる様に濃く噴いて行き、クリアもたっぷり目に噴いて、塗装完成。

 

で、乾燥した所で軽く 1500 番の耐水ペーパーで研ぎだし、ピカールと極細コンパウンドで磨いた後、ホンダのウィングマークステッカーの貼付け作業開始。

マスキングテープで基準線を引き、位置決め中。

ステッカーを水張りし、ガソリンキャップも付けて完成。

と、思ったんだけど、いざ車体に取り付けてガソリンを入れた所、コックからぽたぽたとガス漏れ。

それはコックの問題だからいいんだけど(いや、良く無い)、漏れたガソリンが付いた手でタンクを触った所、クリアが溶けて指紋が付いた(涙)

やっぱりウレタンクリアで仕上げないといけないということで、速攻で Web!ke にコックとウレタンクリアのスプレーを発注し、付いた指紋等を綺麗にしてから上塗りをしたのであった。

ちなみに2液性ウレタンクリアのスプレーは、そのままだと12時間程度で使えなくなるのだが、冷蔵庫で保管すると長期間、条件が良ければ液 or ガスが無くなるまで保管、使用出来ると聞き、試してみた。

今の所使用開始から15日経ち、まだ缶の中身は固まっていない。この保管方法は使えるぞ。