クラッチレバーとスイッチボックスの交換のついでにモトイージー回路まで

 

始まりはいつも唐突。

なんて事は全然ないんだけど、ある日 NSR50改のエンジンを掛けて出かけようと1速に入れた所、ガン!という衝撃とともにエンジンストップ。

それ以外にも、エンジンが暖まらないと1速に入れた時の衝撃が激しく、時には信号待ちでストップする時にエンストする事まであった。

要はクラッチの切れが悪い。

アジャスターで調整すりゃいいんだろうけど、この車体を貰ってきた時からアジャスターが目一杯に引かれており、ワイヤーが伸びているのかと思って新品に交換したんだけど、それでも同じ様にアジャスターを目一杯に引かないとクラッチが切れない様な状態で、もう調整不可能。

何が原因か分からないけど、クラッチワイヤーのスリーブから出ている部分が1〜2cm長い感じがする。

道具があったらワイヤーを切って先端のタイコを付け直してやるんだけど、そんな気力も無く。クラッチホルダー側にアジャスターの付いたレバーに交換してやる、要は後期型 NSR50 と同じ仕様に変更してやる事にした。

で、純正部品を取り寄せようとしたら、ホルターとレバーとボルトと等が全部別部品になっていて、一式揃えようとすると万円近くになってくる。

そんなアホな出費はできないので、ヤフオクで中古のホルダー付きレバーを探したんだけど、これがまた以外と高い。

そんな中で見つけた、後期型の純正品にとっても良く似た CR125 のだと言うレバーを落札。

これで行けるか?

所で、前期型 NSR50 はスイッチボックスがレバーホルダーを兼ねている。そのためレバーホルダーを後期型のに交換すると、スイッチボックスのホルダー部分が干渉して使えない。

スイッチボックスのホルダー部分を切ってしまってとも思ったんだけど、それで失敗してスイッチボックスの本体に穴を開けてしまったり、不細工になっても嫌なので、何か適当なものを買って付ける事にした。

 

と言う事で、手に入れたのが R1-Z のスイッチボックス。

サイズ的に良さそうな感じだし、ウィンカースイッチはプッシュキャンセル式だし。そしてヘッドライトのON/OFFスイッチが付いていそうだしと思ってヤフオクで落札。

しかし、レバーもスイッチも、落札金額より送料の方が高いんだよなぁ (^^;

所がだ、届いたスイッチボックスのかすれた文字を見ていると、「HAZARD」という見慣れない単語が目についた。

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えっ?! 左端のスイッチって、ヘッドライトのON/OFFじゃなく、ハザードスイッチなの?

メンテナンスの為もあって、分解して確認してみた所、ウィンカーリレーからの線が入ってきているし、これは間違い無くハザードスイッチ。

うっひゃぁ〜、ちょっとやられちゃったぜ (--; 。でもまぁ、仕方無いか。

 

何はともあれ、中のスイッチ類まで全部ばらして、金属部品の錆びとりをして、グリスアップ。

また、色あせてぼろぼろだったボディとスイッチ類にちょっとヤスリをかけて、塗装。

いやまぁ、下地も適当だし上塗りも適当だけど、メンテナンス完了。

本当はインレタで文字を入れてやりたかったんだけど、秋葉原を探しまわっても、白文字のインレタって全滅状態。

自作しようと思ったけど、白インクが存在するインクジェットプリンターって存在しないから、白抜き文字を作るしか無いし。
カッティングシートはさすがにこの小ささになると手切りじゃ無理で、カッティングプロッターいるし。

と言う事で、文字入れは妥協した。

で、車体に付けてみた。

クラッチレバーは色々と誤算が。

まず、クラッチケーブルのスリーブがアジャスターの内径よりも大分太くてはまらない。

これはアジャスターの内側をドリルで広げて対処。

次に、アジャスターのロックが入った状態だと、ワイヤーの長さがたりない。

これは結局ロックを外してはめる事にしたが、それって要は、元のアジャスターに下駄を噛ませて長さが合う様にしただけなんだなぁ。

まあ、いいか。

レバーホルダーの取り付けネジは、錆&舐めまくっていたので、M5x15mm のキャップボルトに変更。

ホルダーの押さえ部品をミラーホルダー付きのものに変えれば、左のミラーを付ける事も可能だ。

スイッチボックスは、回り止めが元のものと場所が違ったので、ハンドルに一つ穴を開けて取り付けた。

レバーの逃げはぎりぎりの所でOK。

外側よりも、支点の所が微妙に干渉する事もあるけど、まあ十分に許容範囲。

 

そして、次はスイッチボックスを車体に接続する作業。

NSR50 はタンク下、フレームの左にある9ピンのコネクターに、スイッチボックスに行く線と帰る線がまとまった形になっている。

ホーンへの配線だけ、スイッチボックスからのハーネスの途中から分岐している。

下の図がその配線図で、特殊なのは、ライト系の交流電源(黄線)と、ホーン用の直流電源(黒線)の2本の電源が来ている事。

で、うちの NSR50改は全波整流化した際、ライト類も直流駆動に変更したので、車体側ハーネスの黄色線を外し、黒線の12Vを分岐させてスイッチボックス側に供給する様に変更した。

まぁ、実際には黒線の電圧降下が大きかったので、黒線でリレーを駆動させて、バッテリーから直接引いてきた+12Vを入力してたんだけどね。

 

これに対して R1-Z のスイッチボックスは、ハーネス接続コネクタとH4ヘッドライトコネクタの2つのコネクターに分かれていて、配線は下の図の様になっている。

一番大きな違いはホーンのスイッチで、NSR50 はハーネス側から送られたアクセサリー電源をスイッチを介してホーンに送り、その戻りをまたハーネスに戻すという回路になっているが、R1-Z は、別経路でホーンに直接アクセサリ電源が入り、ホーンから来た線がスイッチを介してアースラインに落ちる回路になっている。

その為、全く同じ様には接続できないので、桃線に+12Vをつないでやり、黒線をホーンに引っ張って接続し、ホーンのアース側はボディアースに落とす事にした。

 

 

で、この R1-Z のコネクタをばらして 110 型9極のコネクタに組み替えてやれば、NSR50 のハーネスに繋がる訳だ(ホーンだけはちょっと変わるが)。

接続は次の様になる。

信号 R1-Z スイッチボックス側 NSR50 コネクタ側
ヘッドライト Lo
ヘッドライト Hi
Acc(+12V) 赤/黄
ホーン電源入力
ホーン電源出力 黒(ホーンに接続) NC
ウィンカー左
ウィンカー右 濃緑
ウィンカーリレー 茶/白
交流入力 NC
アース NC

 

でまぁ、これだけで問題なく動作するんだけど、やっぱりどうしてもヘッドライトのON/OFFスイッチが無いと言うのが気になって仕方無い。

キックだからバッテリーが無くてもエンジンは掛かるんだけど、バッテリーが弱っている時にライトを点けていると中々掛からない&掛かっても安定しないという現象が出るし、と言うのが一番の不安点。

ならばハード的なヘッドライトスイッチを付けようかと思ったんだけど、それなりの値段がするし。

何かいいものが無いかと思って探していたら、見つけたのが「モトイージー」という製品。

で、自作している人が多いので回路を調べてみたらただの自己保持回路付きのリレーで、リレー1個とダイオード2個で作れてしまうので、こいつにちょっとプラスαして自作してしまう事にした。

 

 

上のが作成した回路。

上部がモトイージー部分で、メインキーONの時点ではリレーがOFFになっていて、ヘッドライトの Lo 側には電流は供給されない。

ハイビームに切り替えるかパッシングしてやる事でリレーがONになって Lo 側に電流が供給され始め、後はその Lo 電流もしくは Hi 側の電流(ハイビーム時)で、ずっとリレーは ON 状態が保たれるというもの。

まあ欠点というかは、メインキーを ON にする時は、必ず Hi/Lo 切り替えスイッチを Lo 側にしておかないといけないと言うぐらいかな。

で、NSR50 はヘッドライトのスイッチをONにすると、ヘッドライトへの電源供給とは別にテールランプ等へも別の線で電源を供給する。

このポジションランプのラインのために、Hi か Lo のどちらかに電流が流れているときにONになるリレーを1個追加した。

ちなみに、このヘッドライト用のリレーに接点容量20A程度のものを使えば直接ヘッドライトに電流を供給できるんだけど、買いに行った部品屋には手頃なものが無かった。

なので、この回路はスイッチング用として使い、ヘッドライトには別のリレーで、バッテリーから直接電源を供給する事にした。

要はヘッドライトブースターも付けてしまった訳だね (^^; 。

機械的強度確保の為に、基板に入出力用の端子をかしめる。

リレーとダイオードを乗せて、配線。

単純な回路なので、部品はこれだけ。

大きめのケースしかなかったので、いっその事基板をテープでぐるぐる巻きにして防水するかとも思ったんだけど、最終的にやっぱりケースに入れる事にした。

回路のケースはフレームに対ラップで縛り付け、ごちょごちょと接続。

左で宙に浮いているのが、ヘッドライトブースター用のエーモンのリレー2つ。

車体側のハーネスに接続する 110 型のコネクタは、前に全波整流化する時に作って見た奴(使わなかった)を引っ張りだしてきて流用した。

リレーをフレーム前部に押し込め、タイラップで軽く配線をまとめて完成。

ちょっと不安というか問題なのは、やっぱり NSR50 ってフルカウル前提で作られているためか、ネイキッドにしているとあちこちが雨等の水にさらされる事。

一応コネクタはビニールテープで防水したんだけど、リレー回りがちょっと心配かな。

で、完成した訳なのだが、まずクラッチレバーについてはバッチリ。

今までのクラッチの切れの悪さはどこ吹く風で、スパッときれいに切れて、つながりもスムーズ。
エンジンが冷えている時の切れも問題なく、ガツンとショックが来てエンジンが止まる事も無い。

スイッチボックスも問題なく、プッシュキャンセル式のウィンカーレバーは使いやすいし、モトイージー回路を付けたヘッドライトの動作も問題ない。

加えてヘッドライトブースターを付けたおかげか、ヘッドライトの光量も大分上がった感じだ。

良かった良かった。