リアブレーキキャリバーの交換

 
1.はじめに

リアブレーキが効かない。

ある日気づいたんだけど、緩い上り坂で信号待ちをしている時、ブレーキペダルを緩く踏んでいるだけだとズリッズリッと車体が後ろに下がっていくし、気がつけば、思いっきりブレーキペダルを踏み込んでもロックしない様な状態になってる。

さすがにこれではいけない、ってか、死ぬ (^^;

パーツクリーナーや洗剤でブレーキパッドとディスクを洗浄しても状態は改善せず、パッドの表面をヤスリで一皮むいて荒らしてやると、一瞬効きが良くなるものの、直ぐに元の木阿弥。

これはパッドに油分が付いて滑ってるんだろうと思い、ガスバーナーでパッドを念入りに焼いた所、ちょっとだけ効きは回復した。

でも、やっぱりブレーキペダルをかかとで踏み込んで漸くロックするぐらいだし、どうやらパッドに油分が染み込んでしまっているみたい。

こうなるとパッド交換しか無いんだけど、この純正キャリパーは元から効きが悪いし、鳴くし、タイヤ外しにくいしはめにくいし、パッドも入れにくいし。

前からキャリパー毎交換したいと思っていたんだけど、キャリパー本体にサポートにブレーキホースにと、一式買わなければならないので躊躇していたんだな。

でも、この機会を逃したらダメだと思って(笑)、一式交換に決定。

 
2.部品集め

キャリパーサポートは、どうせなら下付けにしようと色々探して、ヤフオクに出ていた安いものを買った。

でも、届いた物を見ると、切削痕は大きいし段差もエッジもきついし、面取りも一定じゃ無い。

アルマイト処理してるって言うけど、妙にピカピカでアルマイトっぽく無いし、はっきり言って、工業高校の学生が、初めてフライス実習で作った様な出来。

まぁ、素材は堅くて頑丈そうではあるけど、あまり他人様にはお勧め出来ないかな。

キャリパーは BREMBO の新カニ。

最初は SRX のフロントにも使っている FRANDO の、それも赤アルマイトにしようと思っていたけど、ラフ&ロードのセールで FRANDO より安く出ていたので、飛びついてしまった。

旧カニの方が安いけど、ホースとブリーダーが上部(この場合は下部か)に飛び出るので、ホイールの小さな NSR だとちょっと邪魔になると思ったし。

で、届いたものをあり合わせのボルトでちょっと繋いでみた。

一応ガタも無く、きっちり収まった。

   
3.取り付け

純正のキャリパーはこんな感じ。

取り外すにはケツ上げてホイールまで外さないといけないので、おいそれとメンテナンスできない。

先ずはポン付けしてみた所、よく言われるキャリパーとホイール(ブレーキディスクの取り付け部分)との干渉は発生しなかったものの、キャリパーが右に寄っていて、ディスクとのクリアランスがギリギリ。

一応擦ってはいないんだけど、さすがにこれはちょっときついなぁ。

キャリパーサポートやキャリパー側を削ったりするのはリスキーなので、ブレーキディスクとホイールとの間にシムを噛ませて右に寄せる事にした。

試しに 1mm(実測1.1mmぐらいかな)のバンジョー用のワッシャーを噛ませてみたら、今度は右側にギリギリ(ちょっと干渉気味)になる。

なので、0.5mm のステンレス板でシムを作ってみた。

真っ直ぐに撮れてないのでわかりにくいけど、まぁ良い感じ。

そもそもこのブレーキディスクもヤフオクで買ったノンブランドなので、もしかしたらキャリパーサポートの問題じゃ無く、ブレーキディスクの精度の問題なのかもしれない。

   

NSR 50 のホイールに BREMBO のカニを取り付けると、キャリパーの位置とブレーキディスクのサイズとの関係で、どうしてもパッドの一部しかディスクに掛からない。

そのままパッドが磨り減っていくと、やがて磨り減ってない部分同士が当たってディスクを挟めなくなる(ブレーキが効かなくなる)ので、あらかじめ 1/3 程をグラインダーで削り飛ばしておく必要がある。

ディスクを 200mm ぐらいにサイズアップすれば、パッドは全部当たるしストッピングパワーも上がるんだろうけど、使える奴を探すのが大変だし、リアブレーキが効きすぎると乗りにくいしねぇ。

   
4.完成

ブレーキホースは長さの見当が付かなかったのもあって、ヤフオクで全長 700mm、ホース部分 630mm 程度の奴を買った。

取り付けてみたところ、キャリパー側は少しブレーキディスク側により気味だし、マスター側は曲がりがきついので、キャリパー側は 10°ぐらいの曲がりバンジョーで外に逃がして、マスター側は純正と同じようにサイドベンドバンジョーで渦を巻かせた方が良い様な感じ。

これはそのうちに交換しよう。

しかし、キャリパーを取り付けた状態だと、本当に全くエアーが抜けない。

ブリーダーボルト側からフルードを押し込んでもダメで、結局あきらめてキャリパーを一旦外し、ブリーダーボルトが上になるようにした所、一発で抜けた。

で、ブレーキの効きはバッチリ。操作感もバッチリ。

絶対的なストッピングパワーはノーマルよりちょっと上って感じかな。

   
5.追加その1

カニキャリパーのパッドピンは打ち込み式で、専用のスナップリングで留まっているという非常に作業性の悪い作り。

まぁ交換までパッドを抜く必要が無ければ、別にこれでもいいと思うんだけど、チョコチョコ弄る人(笑)には、いちいちキャリパー毎外してハンマーで叩かなければならないという面倒さが。

ちなみに、このスナップリングは BREMBO 専用品のようで、偽物は必ずこれが市販のeリングになってるそうだ。

ヤフオクにも「新品」で出ているキャリパーにそんなのがごろごろ。

チタン製をおごろうかとも思ったけど、さすがにそれはオーバースペックというか勿体ないというか。

なので、N PROJECT のステンレスパッドピン(TYPE M)をチョイス。

こんな感じ。

ピンはスッと通るんだけど、このパッドスプリングがきつくてはめにくい。

このパッドスプリングはパッドを押さえるのではなく、パッドピン毎ブレーキパッドを引っ張り上げて、キャリパー上部に押しつけているらしい。

パッドを左右と上部の3点で支持すると言うことだそうだが、スライドメタルを入れずにキャリパー本体に接触させて滑らせるというのは、いまいち好きじゃ無いと言うか、純正キャリパーでブレーキでが鳴きまくった原因だし。

やっぱり外してしまうか。