ワイヤー式チョークレバー

 
1.はじめに

スロットルを 1/4 開いたあたりでエンジンの回転が上がらない現象の対策もあって、最終的にミクニのフラット24φキャブレータを導入した訳だが、こいつのチョークレバーがスロットルボディの右側上部に付いていて、操作するのが非常に大変。

ノーマルキャブレターはキャブレターボディの左横に付いているので、楽に操作出来るんだけど、ミクニのはフレームの隙間から指を突っ込んで押し上げたり下ろしたりしないといけない。

特に押し上げるのが大変なので、チョークレバーにワイヤーをくくりつけてフレームの外に出してたんだけど、ぶさいくだし、戻す為に結局指突っ込まないといけないし。

ミクニから、チョークレバーを左サイドから操作出来るようにするキットも出てるんだけど、結構な値段だし、狭い所を指で探ってレバーを操作しないといけないという使い勝手の悪さがあって、なんとかワイヤー式のチョークレバーに出来ないかと、ずっと色々考えていた。

で、ある日、ワイヤー式のチョークレバー自体と、チョークコンバージョンキットというものが売られている事を発見。

チョークレバーは中華 ATV 等につかう汎用品、チョークコンバージョンキットはレバー式のチョークをワイヤー式に変える為のプランジャーピストンとかアダプタとかがセットになったもので、まさしく求めていたもの。

ただ、eBay 等に出品されているコンバージョンキットは、 MK-412 という、VM キャブ用に米国のミクニが出している純正キットばかりで、フラット24φ( TM24 )用のキットが全然無い。

でも探しているうちに、これまたヨーロッパにはスクータの改造用にこういった部品が必要らしく、ドイツ等の3件ほどのショップで扱っているのが見つかった。

しかし、何処のショップも送料が高くて、そんなに安くない本体と同じぐらい掛かってしまう。

なのでしばらく躊躇していた所、ヤフオクで TM24 に使えるというコンバージョンキットが安くで出品されたので、思わず落札。

で、届いたのを見てびっくり。

これ、MK-412 じゃ無いか (--#

でも、一応 TM24 に対応と言ってるので合わせてみた所、確かにプランジャーピストンも受け口も全部サイズ的には問題ないけど、プランジャーピストンが長すぎてキャブレターの中でほとんど動かない。

こりゃやっぱりダメだ。

出品者は落札後即時写真を削除しているし、そういう奴ともめるのもしんどいし、値段も高くなかったので泣き寝入り。

 

 
2.やってみる

TM24 用のコンバージョンキットを取り扱っている店が日本にもあったけど、問い合わせてみたら「改造が必要な場合もあります」という答えになってない答えしか返ってこないし。

これはもうヨーロッパから取り寄せるしか無いなぁと、気分は購入に傾いていたんだけど、とりあえず買った MK-412 を捨てるのもなんだし、ノーマルのプランジャーをワイヤー式に加工した強者のHPも発見したりしたので、一度試しに加工してみる事にした。

元々付いていたプランジャーピストンはこんな長さ。

ピストン本体部分も長いし、その上のタイコを取り付ける部分が完全に余分。

と言う訳で、旋盤が無いので元のピストンをドリルのチャックで咥え、回しながらヤスリを当てて削り、長さとバネが入る部分の太さを調整して、不要な部分をカット。

 

ドリルでタイコ穴を開けて、安物リュータと百均のダイヤモンドカッターでワイヤーを通す溝を切った。

後は耐水ペーパーでバリなどを落とし、加工完了。

意外と簡単にできたので、ちょっと期待大。

しかし、つくづくミニ旋盤とボール盤が欲しい。

右が元のレバー式チョークプランジャーで、左が加工したプランジャーピストンとアダプター等の部品。

元々のプランジャーピストンの長さだと、動き代がほとんど無い。

カットして短くしたので、プランジャーピストンの長さと移動量はほぼ右の奴と同じになってる。

タイコを取り付けるとワイヤーがアダプタに通らないので、先にワイヤーを通してからタイコを取り付け。

ワイヤーの長さは元のプランジャーと同じぐらいの可動範囲になるように調整したんだけど、ワイヤーをどう曲げるかで結構大きく変わるので、実際に取り付ける時の曲がりを再現して決めた。

細かい所はアジャスターで調整。

しかし、タイコを縦付けにすればアダプタを通ったのに、なんとなくすっぽ抜ける事が怖くて横付けにしてしまったんだけど、よくよく考えるとタイコ部分の太さは変わらないので、縦付けでも良かったのよね。

こんな感じ。

元々付いていたバネは非常に堅いし、プランジャーが短くなった分、長さも合わなかったのでカットした。

それでもやっぱりバネが堅すぎて、引いたチョークレバーが固定されずに戻ってしまう。

と言う事で、ホームセンターで別のバネを買ってきて装着。

   
3.取り付け

元のチョークレバーはこんな位置。

この上にエアクリーナーボックスとガソリンタンクが被るし、エンジン側からは手が入らないので、キックレバーの上辺りから手を突っ込んで操作しないといけない。

作ったワイヤー式に交換。

これよ、これ。

メーターステーにチョークレバーを付ける台を追加。

レバーを固定して完成。

このチョークレバーマークも、なんか懐かしいなぁ。

ちなみに後で探したら、この引っ張り式のチョークレバーの他に、ハンドルに取り付けられる自転車の変速機のようなタイプも見つかった。

そっちの方が台を作らなくて良かったから楽だったかも (^^;

   
4.出来た出来た

バネがちょっと弱くて戻りが悪かったり、チョークを戻した際にワイヤーがアダプターから抜けたりしたのを対策して、完成。

もちろんちゃんとチョークは効くし、開き具合を微調整出来るし、めっちゃ使いやすい。

ああ、苦労した甲斐はあったわぁ (^^)