ボアアップその2(後半)

 
1.はじめに

今思うと、常にガスが薄い感じがしていたというか、燃調を物凄く濃くしても平気で走っていたというか、なんか前兆があったような気もしないでもないような。

今日は調子よくエンジンが回ってるなぁと思ってたら、突然のパワーダウン。エンジンはスルスル回ってるけど、アクセルを捻っても戻しても全然パワーが出ない。

惰性のあるうちに道ばたに寄せたら、そのままエンスト。
再始動しようとキックを踏んだら、何の抵抗もなくスカスカスカッと踏み下ろせてしまう。

あ゛っ、これ、絶対にピストンに穴開いたわ...orz

途中まで押して帰ったけど、上り坂で死にそうになって、生まれて初めてバイクでJAF呼んだ。

 
 
2.やっぱり

帰ってプラグホールからピストンを覗いてみると、どう見ても穴が開いてるねぇ (--;

ヘッドを外してみると、見事な大穴...orz

ピストンは溶けたようにガサガサで掃気口や排気口もアルミの細かい粉塵に塗れている。

原因を色々調べてみたけど、どうもインシュレータの劣化でゴムに生じていたヒビが内側にまで達したか、キャブレタとの密着度が落ちで二次エアーを吸い込んだんじゃ無いかと思う。

そう思ってみると、最初はメインジェットを上げると濃い症状が出ていたのに、暫くしたら、上げたら上げただけパワーが出てくるような感じになったり。
それはエンジンが慣れてきて、調子よく回るようになって来たんだと思ってたんだけど、あの頃から二次エアを吸っていたのかもしれない。

   
   
3.大掃除

ピストンがあの状態なので、さすがに単にピストン交換だけするというのは憚られ、というか、間違いなくクランクケースの中に破片とかが散らばってるだろう。

と言う事で、クランクケースを分割。
クランクケースセパレータを持ってないので、プラハンでケースをこんこんと叩きながら緩めて、バコッと割る。

案の定、クランク室内には細かいアルミの粉塵や、砕けた金属の塊が散らばっている。

ケースと部品を洗浄して、オイルシールは全て交換、ベアリングは取り外す事が出来たボールベアリングは全て交換。ニードルベアリングはそのまま。

メンテナンスマニュアルに掲載されているシフトチェンジ用のカムの写真がおかしかったのと、カウンタウェイトの打ち込みに苦労したけど、クランクケースの組み立て完了。

ピストンはメルカリで安いのを手に入れて、シリンダとヘッドはそのまま使用。
でも、ピストンの精度が悪いのか、金属粉でシリンダが削れたのか、ピストンとシリンダの間の隙間が若干大きい。
また、ピストンの高さが少し異なるようで、元のまま組むとヘッドとピストンが当たる。なのでベースガスケットを厚くして対処。

エンジン乗せた。

多分原因のインシュレータも交換して、漸く復活。

   
   
4.ところがだ

調子よく走ってると思っていたら、ある時ガガッと抱き付きが起こったような感じ。
確認の為に蓋を開けてみたら、ピストンの端が欠けているし、ヘッドにも傷が入っている。

で、シリンダーを外してみると、何じゃこりゃぁ! (@◇@)

ピストンのサイドにズバッと傷が入っているし、シリンダにも盛大に傷が入ってる。

そして、ピストンを外そうとしたら、片側のストッパーリング、Gリングの真ん中部分が無くなってCリングになってる (*_*)

どうやらストッパーリングが緩んだか曲がったか、とにかく真ん中部分が折れて、ピストンとシリンダに盛大な傷を付けて外に飛んでいったみたい (T^T)

 

ここまで傷が入っていると、シリンダを交換するか、再ボーリングして1サイズ大きなピストンを入れるのが筋だろうけど、そこまで余裕が無いので、ピストンだけ交換して組み直した。
パワーの出はイマイチな感じだけど、取りあえず動いている。

しかし、色々起こるなぁ (--;