MTBのオーバーホール (2016/8/14〜2017/3/19)
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1. 自転車のオーバーホール
1. 自PASS CITY-S8 のチェーン交換


1.はじめに

上の子の通学用に電動アシスト自転車を買ったので、今まで乗ってた MTB が余ってしまった。

安物とはいえ捨てるのももったいないし、自分が乗るか、下の子がもう少し大きくなったら乗るだろうと思って残しておくことにした。

そのためにもちょっとは整備しておかないといけないと思って始めたのが運の尽き、あれやこれやいろいろな不具合が見つかって、気がついたら新品を買った方が良かったんじゃ無いかという、いつものパターンにはまっていたわけだ。

 
 
2.チューブ交換のつもりだったのに

上の子が乗っている頃から良く空気が抜けていたし、下の子の自転車のチューブを米式バルブのにしてから空気圧管理もしやすかったので、とりあえずこいつもチューブを米式のに交換しようと思ったのだ。

ところがまぁ、いざチューブを交換しようと自転車を引きずり出したら、タイヤが見事この状態。

空気の抜けた状態で長らく乗っていたのもあるんだろうか、山が無くなってしまっているどころか、ひび割れて中のカーカスは見えている。

さすがにこれじゃダメなので、タイヤも新しくすることにした。

で、周辺の空き地も全部家が建ってしまったし、オフロードを走ることは無いだろうから、タイヤはサギサカの MTB 用スリックタイヤというのをチョイス。

いつもは自転車をひっくり返してしまうんだけど、今回は丁寧に脚立とロープで吊り上げる。

まずは後輪から。

この日のために用意した(笑)ボスフリー抜きでスプロケットを外し、薄型スパナでロックナットを外して軸を抜く。

しかし、自転車って細々した専用工具が多いし、普段あまり使わないようなサイズのナットが多いよなぁ。

ちなみにこの後輪は大分ガタついていて、別件の修理で自転車屋さんに持ち込んだ際、ベアリングがすり減ってるから交換しないといけない、交換すると結構な金額になるから、この自転車なら新しいのを買った方が良いと言われたもの。

半世紀近く前から自転車に乗ってるおっさんは、そんなの玉押しを調整したら直るやんと心の中で思いながら、へぇ〜そ〜なんですかぁと聞いていた訳だ。

で、軸をバラしてみるとグリスはガチガチになってるし、確かにボール受けも摩耗が目立ったけど、古いグリスをパーツクリーナーで洗い落として新しいグリスを詰めて組んでみたら、特にぶれやガタつきも無くきれいに回ってくれる。

ダメなら自分でホイールを組んでみるかとか思ってたんだけど、これは十分に使えるね。

後輪のメンテナンスとタイヤ交換が終わったので、前輪も同じようにバラしてグリスアップ。

こちらも似たような劣化具合だけど、同じく組み上がった物にガタつきも大きなぶれも特にない。

 

で、完成。

タイヤをブロックパターンからスリックにするだけで大分イメージが変わるなぁ。

 

   
   
3.シフターを変えてみる

子供が乗っている時から、フロントギアを中から大、もしくはその逆に変速しようとすると、チェーンが大ギアと中ギアの間に噛み込んでしまうと言う現象が頻繁に発生していた。

シフトワイヤーの調整の問題だろうと思って色々やってたのだが収まらず、左のシフターが8段階ぐらいあるレボシフター(グリップシフター)でシフト位置がはっきり定まらないので原因が調べにくいのもあって、先ずは3段階にきちんと位置が決まるよう、シフターを交換してみる事にした。

チェーン噛みの原因追及が目的なので、とにかくフロント3段用で安い物を物色。

ヤフオクで送料込み 700円で出ていたサムシフターを購入。

元々付いてたのはこのレボシフター。

フロントは3段変速なんだけど、8段階ぐらいカチカチと回るお茶目な奴で、どこで何速に入っているのか良く分からない。

レボシフターを外してサムシフターを取り付け。

最初はレボシフターと同じくブレーキレバーの左(外側)に付けたんだけど、位置的に変だと気づいて右(内側)に取り付けた。

グリップは元のままなので、レボシフターの分、短い。

交換後、ディレイラーも調整して3段階で位置はバッチリ決まるようになったんだけど、無負荷状態ではほぼ問題なく変速出来るものの、実際に走りながら変速すると、時々チェーンが大ギアと中ギアの間に落ちる。

加えてだんだんその頻度が激しくなってくるし、どう調整してもだめ。

これはディレイラーとかワイヤーの調整の問題じゃ無いわ。

   
4.フロント回りを一式交換

色々調べて人にも聞いたりしていたんだけど、共通するのはチェーンがスプロケットの外側や内側に落ちる(外れる)事はあるけれど、ギアとギアの間に挟まるというのはほとんど事例が無いと言う事。

そもそも自転車の変速が、車やバイクのようにギアの組み合わせを変えるというきちんとしたものでは無く、昔のプーリ式変速機のように、意図的にチェーンをスプロケットから外して違うギアに掛け替えるというアナログ的、別の言い方をすると原始的なものなので、外したチェーンがギアとギアの間に挟まるような構造が存在するのは変。

これはギアが歪んで変な隙間が空いてしまっているか、チェーンをしっかり引っかけてギアに引っ張り込む事が出来なくなってるんじゃ無いかという疑いが濃厚になってきた。

そこでゆっくり走りながらシフトチェンジして、どのようにチェーンが動くか観察してみたんだけど、中段からトップに上げる時は、トップギアがチェーンを引っかけて引きずり上げるよりも先に、チェーンが中段ギアから外れてトップギアとの間に挟まり、トップから中段に下げる時は、トップギアから外れたチェーンがそのままギアとギアの間に落ち込んで中段ギアが引っかけてくれない。

これはなんかギアが変な気がするなぁ。

と言う事で、フロント回りを一式、スプロケットとディレイラーとチェーンを交換する事にした。

スプロケットは元のと同じ、トップが 48T のもの。ディレイラーは、元々シマノのハイマウント(ダウンスイング)式の一番安い奴が付いてたんだけど、あまりにも安っぽいので、同じプロファイルのトップスイングタイプを選択。

部品とか専用工具とか一式そろったので、作業開始。

ディレイラーを交換するのにチェーンを切らないといけないので、チェーンカッターも購入。

細々と工具が要るわ。

 

上が新しいチェーンでしたが古いチェーン。

写真では良く分からないけど、新しい方が張りが良い。

 

古いチェーンは半リンクほど伸びている。

まずはペダルを外してクランクを抜く。

ペダルは漕いでいるときに外れないように、左が逆ねじ、右が正ねじになってる。

次にクランクのめくら蓋を開けて、ラチェットでナットを外す。

ナットは左右とも正ねじ。

 

ここで登場するのが専用工具のコッタ抜き。

クランクはテーパーになったクランク軸に押し込まれているので、この工具を使って引き抜いてやる必要がある。

サイズ的にはバイク用のフライホイールプーラーが合うので使えないかと思ったんだけど、ねじのピッチが全然違って使えなかったので、仕方なく購入。

右はスプロケット毎抜ける。

 

ボトムブラケットはロックナットがリングナットになっているので、手持ちのフックレンチでばらして、中の掃除とベアリングのグリスアップ。

ここもグリスがガチゴチに固まっていて、パーツクリーナー噴いただけでは全く落ちず、歯ブラシと 556 も動員して清掃。

 

で、これが古いフロントスプロケット。

左の大ギアとチェーンのかかっている中ギアの間に、チェーン1本分の広大な隙間がある。

それに比べて中ギアと右の小ギアとの間には、ほとんど隙間が無い。

 

こっちが新しいフロントスプロケット。

大中小ギアの間には、チェーンのプレート分の隙間しか無く、チェーンが挟まるような余裕は全くない。

チェーンが落ち込む原因は、フロントスプロケットで間違いないな。

ディレイラーの調整をしても、しばらく経ったらずれてきてたりした原因はこれだ。

アウターチューブが劣化して、先端のキャップから中身が顔を出してきている。

と言うことで、アウターチューブも新しいものに交換。

ディレイラーも新しいものに交換して、調整して作業完了。

もう何の問題も無く、無負荷でも高負荷でも、シフトアップでもシフトダウンでも、走り出す前にシフトチェンジして無理矢理変速させても、チェーンが挟まることなんて全くなく、気持ちよく変速できる。

あ〜っ、ようやく問題解決だわ (^-^)/

   
   
5.リアの歯飛び

フロントがまともに変速出来るようになって喜んでいたんだけど、試走して色々試していたら、リアのギアを最小にして力を掛けるとガガッとチェーンが歯飛びする。

前が直ったと思ったら、今度は後ろか (--;

よく観察してもあんまりスプロケットに問題があるようには思えない。

なんとなく磨り減って歯が薄く、且つ曲がっているような気はするんだけど。

 

原因はスプロケットかディレイラーしか考えられないので、先ずはスプロケットの交換。

フリー一体型のスプロケットは、今では廉価版や子供用の自転車にしか使われてないようで、選択肢はほとんど無い。ってか、同じ型番のしか売ってない。

新旧を比べてみると、古い方は結構歯がちびていて薄く、低くなっている感じ。歯間もちょっと広がっているみたいだし。

これも専用工具のボスフリー抜きを使って交換。

 

交換完了。

走行試験の結果、全く問題なし。

人にも聞いた所、どうやらチェーンを新品にしたので磨り減ったリアスプロケットとサイズが微妙に合わなくなって、特に曲率が大きな一番小さなギアで上手く噛まなくて歯飛びが出たんだろうと言う事らしい。

チェーンと前後のスプロケットはセットで換えろとも言われたんだけど、そこまでやりたくなかったしなぁ。

   
   
6.そろそろ趣味に走り始める

左は交換したサムシフターで、右は元のレボシフターのままとちぐはぐ。

左右で合わせたいけど、レボシフターに戻すつもりは無いし。右もサムシフターにしようと思ったけど、押し込んだり引っ張ったりする操作が重く、指が痛いのがなんかイマイチ。

ちょっと調べていたら、回転式のレボシフターやレバー式のサムシフター以外に、2レバーで変速するトリガーシフターとかラピッドファイアと言うタイプがあって、こいつがなんともメカメカしくて中2心を刺激するというか(笑)

ベースグレードなら値段も高くないし、面白そうなのでそれにしてみる事にする。

 

これが元の状態。

サムシフターとブレーキレバーの組み合わせもスッキリしてて、実は嫌いじゃ無い。

これが新しいシフター。シマノのラピッドファイア式で、ブレーキレバー一体型の物。

思ったよりゴツい感じ。

 

こんな感じで交換。

まだ交換してなかったリアシフトやフロントブレーキのアウターチューブもこの機に交換してしまった。

 

下の大きなレバーを押し込んで、ワイヤーの巻き上げ、上の小さなレバーを引いて、ワイヤーを開放する。

なので右側(リアディレイラー)は押し込んでシフトダウン、引いてシフトアップになるけど、左側(フロントディレイラー)は押し込んでシフトダウン、引いてシフトアップと逆になる。

で、走ってみた結果、レボシフターやサムシフターのような「何速に入れる」というダイレクト感が無いし、左右でシフトアップとダウンが逆なのに物凄く違和感があるけど、デジタル的な操作感覚がシーケンシャルシフトを操作しているようで楽しいと言えば楽しい。

まぁ、悪くないんでないかい。

   
7.コンフォートなサドル

ご多分に漏れず、サドルは角の方がすれて穴が開き、雨が降ると染み込んで、その後はしばらくズボンが濡れるという状態だった。

で、交換するにしても「如何にも」というデザインの奴は嫌だし、堅くておしりが痛いのも嫌だし。

でもクッション厚厚のぼってりした奴もイマイチだしなぁと思っていたら、昔ながらのバネ付きサドルというのを見つけたので、そいつに交換する事にした。

買ったのはこいつ。 BEAM のスプリングコンフォートサドル。

他にも同じ様なのがあったけど、手が届く値段なのはこいつ程度だし、探し始めた時はブラウンしか無かったんだけど、気がついたらブラックが発売されていたので、決定。

ついでに錆びていたシートポストとサドルを取り付ける馬も購入。

まぁ、取り付けるだけですし、直ぐに完成。

スプリングの音がちょっとギシギシ言うけど、突き上げも優しくいなして座り心地は抜群。

ただ、曲がりなりにも本体にサスペンションがあるので、それと合わさってちょっとフワフワした乗り心地になるし、おしりも左右に動いてちょっと落ち着きが悪いかなぁ。

乗り心地はいいけど、ちょっと微妙な感じ。

 

   
   
8.シートクランプ交換

ネジ部分が大分錆びていたのと、シルバーは色的にちょっと浮いてると感じたので、ブラックに交換。

Amazon の格安品で、到着に時間は掛かったけど、悪くない一品。

   
   
9.ペダルの交換

ペダルは回すとゴリゴリいう状態なんだけど、調整しようにもプラスチックの一体形成のような感じでナット部分の蓋が開けられない、というか蓋が無い。

と言う訳で、適当な安い、と言っても樹脂製はちょっといやなので、アルミのペダルを注文。

で、届いたと思ったら、片側がこんな状態。

防水のゴムパッキンが逆になっていて、ペダルにはまってない。

仕方ないからバラして直そうと思ったらリフレクターが両面とも擦ったような傷で真っ白になっていたので、お店に電話して交換して貰おうとした所、在庫切れであえなく返品となりました。

気を取り直して、今度は実店舗でペダルを購入。

こっちの方がちょっと高いけど、格好は良い。

根元もゴムパッキンで防水してるんじゃ無く、隙間を密にして水の浸入を防いでいるし。

ただ、他のペダルもそうだったんだけど、妙にペダルの回転が重い。ゴリゴリ感は無いんだけど、玉押しの締め付けがきつすぎる感じ。

と言う訳で、先ずはバラして調整しようとしたんだけど、開けてビックリ、使われているグリスの粘度が物凄く高い。そりゃ回転も重いはずだわ (--;

ベアリングボールを外してパーツクリーナーで洗浄したんだけど、グリスが全然パーツクリーナーに溶けていかない (>_<)

ウエスで拭き取ってパーツクリーナーに漬け込んで綺麗にした後、手持ちの万能グリスで組み直し。

なんか、感動するほど回りが軽くなりました。

 

メンテの終わったペダルを取り付けて、完成。

軽く回転するし、樹脂ペダルに比べて細身でスッキリしてシルエットが綺麗ですねぇ。

   
   
10.ハンドルチェンジ

色々綺麗になると、ハンドルとハンドルポストがサビサビなのも気になってくる訳ですね。

 

で、取り替えようと思ったんだけど、ハンドルポスト(今はステムと言うらしい)は、昔ながらの差込んでネジで締め付けて固定するノーマルステム(クイルステム)はあまり使われなくなって、アヘッドステムという形式が主流になってるらしい。

 

これはフロントフォークの構造自体が、昔の様にフォークが車体に取り付けられて、そこにハンドルポストが差し込まれる形式じゃ無く、フォークからハンドルポストが伸びていて、それを車体の下から差し込んで、上からスペーサーとハンドルステムで固定するという形式に変わったから見たい。

 

というわけで、昔ながらのフロントフォークにアヘッドステムを取り付けるためのアダプタ、用はハンドルポストのポスト部分だけと、角度調整できるタイプのハンドルを取り付けるステムを購入。

で、交換するためにフロントフォークを外してベアリングを掃除しようとしたら、リテーナーが磨り減っていて、ボールがボロボロ落ちるしリテーナの中に入りこんでいくし。

仕方ないので交換しようと思ったら、リテーナー付きベアリングって規格化されてないのか、合致する物が全然分からない。

と言う訳で、リテーナーはあきらめて外したんだけど、そうなるとリテーナーの分、隙間が空くのでベアリングボールの追加が必要。

なのでハンズで買ってきた。

自転車専門店にも探しに行ったけど、ゴソッと換える部品は売ってても、こういう細かい物は売ってないのねぇ。

この隙間だらけの所に

ボールを追加。

ギチギチに詰めるときつすぎてハンドルが回らないので、素直に回って且つガタが生じない様、適当に数を調整。

この写真ほど詰めるとちょっと多い。

ステムアダプタとヘッドステムを取り付け。

ハンドルはアルミの安い奴で、角度や長さが同じ様なのを購入。。

完成。

 

綺麗になりました。