ドライブチェーンの交換 2009/4/20

 
1.はじめに

買ってから大分立ってドライブチェーンに固着した部分がある事に気づき、スウィングアームをばらした時に、錆び付いて動かないコマが多数ある事が判明した。

これは早急にチェーン交換をしないといけないと思いながら数ヶ月たち、ようやくお金が出来たのでチェーンを注文した。

最初はクリップ式でいいかなと思っていたのだが、原チャリクラスならまだしも、 600cc クラスでクリップは自殺行為だとわかって断念。

でもカシメ工具を買おうと思ったら、以外と高価 (--; 。安いと言われているかし丸君で一万数千円、南海部品の安直な奴で5千円以上する。

それでも買うしか無いしなぁ、でもこれ買うなら工賃出してバイク屋にやってもらった方がいいのかなぁと思いながらネットを漁っていると、 EK チェーン(江沼チェーン)のスクリュージョイントというのを見つけた。

このジョイントはどうもピンをかしめるのでは無く、ナットを使って強制的にプレートを圧入してしまう方法らしく、自分で簡単に取り付けることができる上に 600cc クラスにも使える。

カシメ工具を使わずにチェーンを交換するにはもうこれしか無いので、一度使ってみる事にした。

 
2.さて、やってみよう

こいつが買ったシールチェーン。

うちの II 型( 2NX )は 520 の 104 リンク。

売っていたのは 106 リンクだったので、取り付け時に2リンク(コマ1組)をカットする。

まずはリアを持ち上げる。

左ステップの根元にジャッキを一つ、マフラーチャンバーの右下にジャッキをもう一つかませて持ち上げている。

   

これが固着した部分。

思いっきり力をかければ伸びる物と、完全に固着して伸びも曲がりもしない部分がある。

要は、相当ひどい状態という奴。

   

チェーンを交換するだけなら、古いチェーンに新しいチェーンを仮継ぎしてぐるっと一周させればいいんだけど、エンジン側のスプロケの状態を見たかったのと、掃除もしたかったので、スプロケのカバーも外し、チェーンも一旦外してしまう事にする。

   

まずは古いチェーンを外す為に、ディスクグラインダーでカシメピンの頭を削り落としてしまう。

次にプレートの裏にマイナスドライバーを差し込み、ハンマーで叩いていくとプレートがばかっと外れる。

プレートはピンに圧入されている上にピンがカシメられているので、きちんと削り落としておかないと簡単にはプレートははずれない。

 

プレートが外れれば、ジョイントは簡単にすっぽりと抜ける。

ただ、リンクが固着したり錆びたりしている部分だと抜けにくいだろうと思い、なるべく滑らかに動く部分のリンクを外した。

   

これが外した古いチェーン。

ぶら下げたぐらいじゃびくともせず、手で引き延ばして真っすぐにしてみたのだが、それでも見ての通りガタガタ。

我ながら、良くこんなひどい状態で乗っていたものだ。

 

   

フロントのスプロケと、そのハウジングの中を、またリアのスプロケをパーツクリーナーとウェスで清掃し、新しいチェーンを通してリアのスプロケに引っ掛けておく。

この時思い出したのだが、スウィングアームのチェーンガードも一緒に交換するんだった。

   

これがスクリュージョイント一式。

これだけ欲しければ、 1,200 円程度で売っているみたいである。

安い中国製チェーンとジョイントだけ買おうかとも思ったが、送料を入れるとそれほど安くならないのと、今イチチェーンの品質が信用できないので、やめた。

   

まずは付属のグリスをジョイントとプレートの裏にたっぷり塗る。

ジョイントにはOリング(ここはXリングと言ってるけど)をはめておく。

プレートは文字の書いてない方が裏面(内側)になる。

   

ジョイントをチェーンのつなぎ目に差し込み、外側から残りのOリング(Xリング)をはめて、プレートを取り付ける。

ジョイントをはめる際は、チェーンをちょっと寄せてやり、せっかく塗ったグリスが擦り落とされないように滑らかに挿入する。

   

プレートをはめたら六角ナットをはめて、まずは手で回らなくなる所まで締めて行く。

と、説明書にはあるが、実際にはネジ山がちょっと崩れていて、手ではプレートに当たるまで締めることができなかった。

なのでさっさと 8mm のメガネを使ってプレートにあたる所までナットを締める。

プレートにあたる所までナットを送り込んだら、いよいよ本締め。

2つのナットを交互に、60度ずつ(六角なので面一つ分)回しながら、ナットがこれ以上回らなくなるまで、平行にプレートが圧入されて行くよう締め込んで行く。(むちゃくちゃ締めないこと)

回らなくなったかなぁ?と思ったら、一旦ボルトを緩めてみて、仕上げのOリングをはめる為の溝がきれいに外に出ていれば出来上がり。

まだ溝が完全に出ていないようなら、ボルトを戻して再度締め込む。このあたりは同封されている説明書に分かりやすい絵が描かれている。

ちなみに、ピンが出過ぎていれば締め過ぎで失敗。おそらくリンクも滑らかに動かない状態になっているので、あきらめてジョイントを削り飛ばし、新しいジョイントを買ってきてやり直すしか無い。

プレートがきちんと圧入で来たなら、ピンの先(ネジが切ってある部分の先の方)をペンチかプライヤーでえいっ!と折取る。

間違ってもOリングをはめる溝の所を折取らない。

折取ったら付属のOリングをはめて完成。

   

これが新しいチェーンにした状態。

なんて真っすぐで美しいのだろうか。

   
3.ちょっとトラブル

スクリュージョイントの難点として、この折取ってOリングをはめた部分が通常のカシメ部分よりも出っ張っている為にスプロケカバー等と干渉すると事があるらしい。

SRXは作りがタイトなので、下手をするとどこかに引っかかるかなぁとちょっと心配していたのだが、特にフレームとも干渉せず、スプロケカバーにもあたらないので安心していた。

所だが、テスト走行で家の前から数メートル走ってみた所で、何かコツ、コツっとあたる音がする。

どこに当たっているんだ?と見てみた所、どうもチェーンカバーのようだ。

でもチェーンカバーとチェーンの間って大分開いているしなぁと不思議に思いながら、再度ジャッキでリアを持ち上げてじっくりと覗き込んでみた所、納得。

チェーンカバーには補強用の鉄板が入っているんだけど、この鉄板がカバーより内側に出っ張ってる (T^T) 。

これは全く持って想定外。

対策として、まずはチェーンカバーを曲げてみたが、それほどチェーンとの隙間は変わらず。

これはもうどうしようも無いなぁと思い、折取ったぴんの頭をグラインダーで削って低くして、隙間を空けて対策したのでした。

 
4.感想

次の朝、早速ちょっと試し乗りに行ったのだが、「 SRX-6 ってこんなキャラクターだっけ?」と思うぐらいにフィーリングが激変。

今までは、スロットルをひねるとドン!ドッガッガッガガガガガガと荒々しく加速していたのだが、チェーンの交換後はスロットルの開度に合わせてヌッパッパパパパパと柔らかく、滑らかに加速して行く。

またスロットルを戻した時もちょっと暴れるような感じでエンジンブレーキが掛かっていたのだが、何やらもう、エンジンがマルチになったんじゃないかと思うぐらいに(言い過ぎ)滑らかにエンジンブレーキが効く。

これはつまり、今まではチェーンが無理矢理、ガリゴリ言いながら回っていた、パワーも滑らかさも全てチェーンに持って行かれてたって事ですか?(涙)。