キャブレターの分解清掃 2009/8/23

 
1.はじめに

暑い日が続いたためか、先日からオーバーヒート気味だったり、スロットをひねってもパワーが出なかったり、はたまたエンストしたりでちょっと調子が悪い。

とりあえずオイルクーラーへの流量制限ボルトを長めの物に交換したり、タンクキャップの目詰まりを掃除したりしたのだが、以前からやってみたかったのもあって、ついでにキャブレターの分解掃除をしてみる。

 
 
2.さて、やってみよう

まずはタンクとサイドカバーを外し、エアクリーナーを固定しているボルト3本(上部、バッテリーの前2カ所と、左側のサイドカバー内1カ所)を外す。

スロットワイヤーを外し、エンジン側とエアクリーナ側のジョイントを固定しているバンドのネジを緩めたら、エアクリーナーを後ろにずらしながらキャブレターを外す。

でもジョイントのゴムが固くなっているのと、エアクリーナの動きしろがほとんどないので、とても大変。
バンドが元の位置にあるとジョイントを歪ませるのに邪魔になるので、それぞれエンジン側、エアクリーナー側に寄せておくと吉。

キャブレターがジョイントから抜けたら、スタータプランジャー(チョーク)のボルトを緩めて抜き取る。

   

キャブレターを車体から外したら、次はプライマリとセカンダリのキャブレターを二つに分ける。

二つのキャブレターは写真に写っている斜めになったプレート(ネジ2本)と、裏面の水平プレート(ネジ4本)で固定されているのだが、このプレートのネジが固着して固いのなんのって。

インパクトレンチなんて良い物は持ってないので、木工用のインパクトドライバーを使って外そうとしたのだが、なんとトルクが足りない...。

結局セカンダリー側の1本が外れなかったが、残りのネジは外れたので、キャブレターを2つに分けた後にペンチで引っ掴んで外した。

ネジ外し用のプライヤーが1本あれば、もうちょっと楽に外せたのかな?

   

キャブレターを2つに分けられたら、まずはプライマリー側の清掃。

上蓋をあけてスロットルシャフトのボルトやネジを弛めて抜き、スロットルバルブとニードルを抜く。

バルブはカーボン(?)が焼き付いて真っ黒になっており、研磨剤で簡単に磨いてみたが、全く色が落ちる様子はなかった。

   

次にフロート室だが、鉄錆の粉のような物でうす赤く染まっている以外は特に汚れもなく。ジェットも詰まっておらず比較的きれいな感じ。

パッキンのゴムはちょっと弾力が無くなって固くなっていたが、とりあえず再利用。
でも次に開ける時には変えておいた方がいいような感じ。

   

メインノズルは白い錆のような汚れがついていたが、目詰まりはなかったような感じ。ジェットもきれいだったので、軽く汚れを落としてパーツクリーナーで洗い流しておいた。

ちなみにジェットは118番。

パイロットジェットも外そうと思ったけど、合うドライバーが無くて今回はキャンセル。

   

で、SRXのプライマリーキャブにはコースティングエンリッチャという機構がある。

これはエンジンブレーキをかけた時等、キャブレターが閉じている時に混合気が薄くなりすぎないように調整する機構らしいのだが、このダイヤフラムの状態を見ようとふたを開けてびっくり。写真の通り、汚れでドロドロである。

掃除のためにバルブ部分もばらそうと思ったのだが、ネジに合う手持ちのドライバーは小さな物しか無く、固く締まったこのネジを外すことができなかった。

なので、仕方なくバルブを手で押さえながら、パーツクリーナーを噴き込んで掃除したが、もう噴いても噴いても黒いオイルが奥からしみ出してきてすごい状態。
今度ドライバーを買ってきて、きちんとばらして掃除しないといけない。

またダイヤフラムのゴムは良いけど、中央の金属部分が大分凹んでいたので、これも変えた方が良いのかなぁ。

   

一通りの掃除が終わったら、ゴミをかまないように気をつけて、プライマリーキャブを組み立て、セカンダリーキャブの掃除に取りかかる。

セカンダリー側はほとんどパーツがないので、ダイヤフラムのチェックとジェットの掃除ぐらい。

ダイヤフラムは大分よれていたけど、まだ穴はあいておらず、ジェットもきれいなもの。

ただしエンジン側の口とバタフライバルブがカーボンで真っ黒に汚れており、パーツクリーナーとウエスで掃除。

それが終わったら、スロットルバルブ(ダイヤフラム付き)を戻して蓋を閉め、掃除は終わり。

プライマリーに比べて非常に簡単。

   

次は2つのキャブを結合。

サービスマニュアルには「定盤において」とあるけどそんなものは無く。
タイルの上でまっすぐにして接続プレートのネジを締めたけど、どうもプレートに1カ所ひずみがあるようで、水平に保ちながらネジを締め込むと、その部分のネジをきゅっと締め込んだ時点でキャブが軽くずれてしまう。

まあ、元々それでついていたんだし、いいんじゃないの?(笑)

でもここで、プライマリーとセカンダリーをつないでいる長いゴムホース(コースティングエンリッチャーの負圧パイプ)の根元に亀裂が入っていることを発見。

とりあえずその部分をニッパで切って再利用したけど、オーバフローホースの根元も亀裂が入っていたし(これはひっくり返して使用)、この辺も一式交換しないといけないなぁ。

   

キャブが組み上がったら、車体に戻す。

まずはスタータープランジャーを取り付けて、エアクリーナー側に思いっきりキャブレターを押し込んだ後、エンジン側をはめ込んで、これまた思いっきり押し込む。

今思うと、薄くグリスを塗ってから作業すれば良かった。

で、ジョイントの固定ベルトを締めて、スロットワイヤーを取り付けて調整。
オーバフローパイプをとり回して終わり。

ところでここで気づいたのだが、セカンダリーキャブの頭についているハーネスのガイドの向きが違う。

凡ミスだぁ (- -;; 。

 
3.感想

作業終了後、早速エンジンをかけようとガソリンコックを直結に開いたところ、ドボドボドボっとガソリンが流れ出す。

あ゛〜っ゛、どこかしめわすれた?!

と思って慌てて見ると、ガソリンコックとキャブレターをつなぐパイプをはめ忘れているだけ。

で、パイプをはめてキャブにガソリンを送り込みエンジンをかけようとするのだが、これまたキャブは空っぽだしパーツクリーナが残っているためか、なかなか掛からず、ようやく掛かったと思ったら非常に不安定。

これは失敗したか?(でもどこで失敗する要因が?)と内心焦りながらしばらくまわしていると、そのうちに回転は安定してくる。

そこでひとっ走りしたのだが、今まで感じていた2500〜3000rpmあたりのエンジン回転のばらつきが非常に少なくなった。

低回転での回転も滑らかになった気がする(これは気がするレベル)し、それよりもエンジンブレーキをかけた際のドッ、パッ、ドドッ、ドドドッ、ドンというばらつきはものすごく少なくなって、非常に安定したエンジンブレーキの掛かり具合になった。

これはコースティングエンリッチャをきれいにしたおかげか?

とりあえずは「掃除してよかった」という所ですね。