フロントフォークキャップの装着 2010/12/13

 
1.はじめに

初期型 SRX-4 は SRX-6 と色々仕様が変わっている。

フロントフォークの仕様も異なり、400 の方がバネが長くてカラーが短く、しなやかなセッティングになっているみたい。

その点はいいんだけど、600 と違ってエア封入式じゃなく、フォークトップにはただの鉄の蓋がねじ込まれているだけという点がしょぼさを感じさせるんだなぁ。

このエア封入式のフロントサスだけど、昔乗ってた初期型 SEROW 君にも付いていた。
当時は色々やってやろうと調整用ポンプまで買ったけど、エア圧を変えても全然違いを感じず、逆に微妙な調整が面倒なだけだった記憶がある。

なので特にエア式にしたいとは思わないんだけど、このフォークキャップが鉄の蓋で、そこにゴムの蓋がかぶさっているだけというのがあまりにも安っぽくって...。

で、たまたまマグラが手に入って取り付けたんだけど、クランプ部分が長い為にこのゴムの蓋が奥の方にはまってこんな状態に。

これが大分不細工なのと、クランプの上下2本のボルトのうち、下の1本しかフロントフォークに掛かってないのがとても不安。

実用上は問題無いんだろうけど、ボルトを締めていると均等に締まった感じがしないのも、とっても気持ち悪い。

上のゴムキャップを取るとこの通りで、フォークキャップは錆でボロボロ。フロントフォーク本体の内側にも錆が発生している。

この状態だと雨水や結露の水が溜って錆が進行しそうで、精神衛生上非常によろしく無い感じ。

と言う事で、一番の問題はフロントフォークの長さが足りず( or クランプが長過ぎて)クランプがきちんと噛んでない事。2番目の問題がフォークキャップが錆でぼろぼろである事。

この二点を解消するべく、フォークの延長キャップをつける事にした。

 
2.ところがだ

使えるフォークキャップを色々と物色するのだが、さすがに20年以上前の車種となると一筋縄ではいかない。

最近(ったって10年近くになるが)前まで発売されていた4型なら、まだ色々とパーツはあるのだが、また2型以降や 600 との共通仕様部分ならまだしも、初期型 400 だけに採用されていた仕様のものとなると、もう皆無。

フォークキャップも 600 or 2型以降に使えるものはあるけど、初期型 400 のフロントフォークに合う奴はどこにも無い。

仕方が無いので夏にハヤシカスタムに行った際に相談したのだが、やはり汎用品は見つからず、必要ならワンオフで作るしかない。ただし片側に付き1万円以上の価格になるとのお返事だった。

さすがにフォークキャップで2万以上も掛かるのはきついなぁと思って、SRX のワンオフパーツで有名な祁門(きいまん)さんとこにちょっと相談してみた。

結果、現在制作販売しているものは使えない、というか、初期型 400 のデータが無いので使えるかどうか分からない。けれどもフォークを送ってくれれば作成は可能で、2万円以内で収まるとの返事をもらった。

ほならと言う事で祁門さんにお願いする事に決定。
 

で、お金と暇が(主にお金)無くって、1ヶ月以上経ってから漸くフロントフォークを外して送ろうとしたんだけど、このフォークが外れないのなんのって (--;

いや、フォークが外れないというより、アンダーブラケットとトップブリッジがずれているためにフォークの締め付けボルトを緩めてもフォークが落ちず、トップブリッジを外さないといけないんだけども、このトップブリッジを止めているナットがむちゃくちゃ固く締まっている為に外れなかったと言う方が正しいなぁ。

前にもグリップエンドが全然外れなかったりしたし、このバイクは所々無茶締めしてある部分がある。

普通の力じゃ外れないしインパクトなんか持ってないので、致し方なく大型のモンキーレンチかましてプラハンでレンチの先をガンガンぶっ叩いたら、漸くナットが緩んだ。

そう言えば最近フォークが沈んだ時等にコキンと音がすることがあったんだけど、それもこのズレが原因だったのかな。

ちなみにフォークを外す前にフォークキャップを外さないといけないんだけど、それには 17mm の六角という巨大なものが必要。

一応近所のホームセンターには売ってたけど、一つ千円近くする。

ところが 10mm のナットの外寸がちょうど 17mm なので、これ幸いと 10mm のロングナットを一つ買って代用する事にした。 200 円未満なり(笑)。

 
3.さて、組み立て

これが作ってもらったフロントフォークの延長キャップ。

延長量は 16mm 。ノギスで測ったところ、面一は 14.5mm なんだけど、測定誤差とか見込んで 16mm にした。

また、使うかどうか分からないけど、イニシャルアジャスタもつけてもらっちゃった。

作業開始。

フロントフォークを外したついでというか、フォークキャップの完成までにしばらく時間があったので、フロント周りを完全にばらして塗り直しとかしちゃいました。

なので組み立ては大変に (^^;

まずはフロントフォークのオイルを完全に抜く。

入れ替えるオイルは元々入っていたのと同じ ABSO-R 。

安く無いオイルだけど、今までの感触が非常に良かったので、続けてこれを使う事にした。

こいつが外したトップキャップ。

パッキンより下はまだしも、上部は錆びてボロボロ。

雨水も簡単に侵入する様な構造だからなぁ。

インナーチューブの内部も大分錆びてしまっている。

幸い上部だけで済んでいるが、インナーチューブの外側も点錆の痕がたくさんあるので、そのうちお金に余裕ができたなら再メッキに出した方が良いのかもしれない。

取り敢えず紙ヤスリでさびを落とし、パーツクリーナーで掃除。

ヤスリの粉が入らない様に、口が下になる様にして磨いたけれど、本当は完全に分解してさびを落とし、洗浄した後に組んだ方が良いんだろうなあ。

このフロントフォークにはPDバルブ(カートリッジイミュレータ)が組み込んである。

きちんと乗り比べてないのではっきりしないけど、そのおかげなのかオイルのおかげなのか、それともバネの違いなのか、前に乗っていたノーマル2型よりもフロントの動きはしなやかで落ち着いた感じ。

オイルをほぼ規定量入れた後、伸縮させて奥に送り込む。

しばらく置いて気泡が消えた頃に、ホームセンターで売っている 20cm 程の長さのスポイドでオイルレベル調整(初期型 400 は 310cc で 152mm が標準)。

その後 PD バルブを入れて、バネ挿入。

本当はオイルレベル調整器を作ろうと思ったんだけど、予算と手間の関係で、今回はスポイド。

次にOリングにシリコングリスを塗ってフォークキャップにはめ、インナーチューブのトップに押さえつけながらゆっくりと、舐めない様にねじ込んで行く。

これで漸くフロントフォークの完成。

さすがは祁門さんで精度もばっちりです。

しかしこうやって見るとアウターチューブのクリアの劣化が激しいなぁ。

そのうちにきれいに剥いで塗り直さないといけない。

完成したフロントフォークをアンダーブラケットに通し、まずはトップブリッジをしっかりと組み付ける。

次にフロントフォークを借り留めして、フォークキャップをきちんと締め付け、ノーマルハンドルを使って突き出し量の調整。(ノーマルハンドルとインナーチューブのトップ面が合う様にする)

それが終わったらフロントフォークをきちんと締め付けて、ハンドルを借り留めしておく。

ライトステーを付け、ウィンカーを留めてメーターを借り留めする。

ハーネスを、またブレーキラインやワイヤー類をどこに通すかは、整備マニュアルとにらめっこしながら作業。

ライトケースの内側にこびりついていた分厚い錆は、ワイヤーカップブラシを電気ドリルに取り付けて、錆び落とし剤と研磨剤を利用して大部分落とした。

錆び落としした後は、きれいに洗って脱脂して、銀のペンキで錆び防止塗装。

配線の接続を完了して動作確認を行ったら、取り敢えずヘッドライトのレンズを取り付け。

ベアリングにグリスを補給してフロントタイヤを取り付け、フェンダーをつける。

最後にスピードメーターワイヤーとブレーキラインを取り付けて、ブレーキのエア抜きを実施。

ハンドルの位置調整を行って完成。

いやぁ〜、やっぱり今までの黒い蓋とは違って美しいですわん(笑)。

16mm という高さもばっちりです。

 
4.感想

見かけは完璧です(笑)。

せっかくつけてもらったイニシャルアジャスタは今の所プリロード量0のまま (^^;

フォークオイルを変えたおかげかフロントフォークのねじれが治ったおかげか、フロントがすこすこと滑らかに動いて非常に良い感触。

なんか今までと違って全くフロントを弄る気がしないし、ブレーキの効きも非常に滑らかになって、逆に先日 17 に変えたレバー比がたるく感じてしまう。

なので 18 に戻したのだけど、もうなんかこれ以上無いんじゃないかと思うぐらいにすばらしいフロントの動きとなった。

ちょっと走ってみたけど、後はハンドルの位置調整だなぁ。もうちょっとハンドルを絞り込んだ方がいいかな。