オーバーホールその2(エンジン) 2020/11/2

 
1.はじめに

完成したフロントフォークを取り付けている時に気がついた。

これ、マフラー穴開いてるんじゃね? (--;

いや、絶対開いてるよ。外して確認せねば。

と、エキパイを外すべくナットを緩めたのだが、一つがなんの抵抗もなく、見事にねじ切れた (--;

取りあえず残りのナットを外してエキパイとマフラーを外そうとしたんだけど、動転のあまり変に車体を揺さぶって、ジャッキが外れて車体が横倒しになったりともう散々...orz

スタッドボルトはある程度の長さが残っていたので、先ずはスタッドボルトリムーバを試してみたんだけど、ダメ。
ワコーズのラスペネもバーナーも無力。

次にドリルで穴を開けてエキストラクタを試してみたけど、びくともしない。もう少し深くエキストラクタを差し込む為に穴を深くしようとしたら、ドリルの刃が折れた...orz

これは溶接で先端にナットをくっつけて回すか、穴を広げてリコイルするしか無いだろうなぁ。でも下手にやって傷口を広げるよりも、プロの手に任せた方が無難だわ。

ちなみに、マフラーは見事に穴が開いているというか、もうボロボロ (--;

   
2.エンジンを下ろす

このバイクを作ったハヤシカスタムに連絡してみた所、シリンダーヘッドを送って貰えれば修理しますとの事。
金額は2万円と張るけど、こればかりは仕方ない。

幸い SRX のエンジンは車体に乗せたままでシリンダまで取り外せる構造になっているので、エンジンを下ろす必要はないし、と思いながらヘッドカバーを外そうとした所、今度はヘッドカバーのボルトが固着して動かない (T^T)

特にこのエンジンハンガーの下にある奴がどうにもならんと言うか、ドリルで飛ばそうにもフレームが邪魔でドリルが入らないし、にっちもさっちもいかない。

と言う訳で、諦めてエンジンを下ろす事にした。

NSR50のエンジンならパンタジャッキ使って下ろすけど、それより断然重たいエンジンを果たして下ろせるのか?

フロアジャッキ使うとか聞くけど、それだけの為に買うのも何だし。
色々調べていたら、タイダウンベルト使って下ろすって方法があって、早速安いのをモノタロウで調達。

クソ固いサブフレームのボルトをインパクトで外して、それでも緩まないボルトはタイヤ交換用の長いトルクレンチ使って外して(ロングハンドル買わないといけないなぁ)、タイダウンベルトとジャッキでエンジン支えてハンガーボルトを外したら、意外と簡単にエンジン下りました。

固着したヘッドカバーのボルトはエンジンハンガの下のを含めて4本ほど。どれもガッチガッチに固まっていて、インパクトを使っても舐めるだけでびくともしない。

なのでドリルで頭を飛ばしてしまう事にしたのだが、色気を出して、一つだけエキストラクタを試してみる事にした。

これが大失敗で、慎重に穴を開けてエキストラクタを打ち込み、ゆっくり力を掛けて、やっぱりびくともしないのを確認して、無理は禁物とエキストラクタを緩めようとした所、これもほぼ何の抵抗もなく、エキストラクタがねじ切れた(なんで?)...orz

こうなるとドリルで頭を飛ばす事も出来ないので、タガネでボルトの頭を切り飛ばすつもりでガンガン叩いていたら、その衝撃で緩んでなんとか外す事が出来た。

漸く外れたヘッドをハヤシに送り、修理。

もう、これで学んだのが、エキストラクタは、ドライバ穴を舐めたり、締めすぎて頭をねじ切ってしまったネジ等、要は頭の部分が正常なら普通に外す事の出来るネジを外す為の道具であって、ドライバ穴が潰れるほどに固着したネジを外す為の道具じゃ無いって事。

考えてみれば、いくらエキストラクタが固い金属で作られているとは言え、ボルト本体より細い棒が、そのボルトが正常な時に掛かるトルク以上の力を受け止められる訳は無いわなぁ。

と言う訳で、固着したボルトを外すには、タガネで頭を緩む方向に叩くか、ボルトの頭に食い込ませる、ボルトナットエキストラクタの方を使わないといけない事を学んだ訳だ。

   
3.組み立て

ヘッドにカーボンが溜まりまくっていたので、キャブクリーナとワイヤーブラシで掃除。

バルブの擦り合わせもしたら完璧なんだろうけど、そこまでやるにはスプリングコンプレッサーやらの工具と、作業台とかが無いと無理。

ピストンヘッドにもカーボンが溜まっていたので、ここも同じくキャブクリーナとワイヤブラシで掃除。

シリンダ上部、ピストンとヘッドの隙間部分こびり付いていたカーボンが結構頑固だった。

ヘッドガスケットはワイセコの 95mm〜98mm用の物。

最初はハヤシで手配して貰おうと思ったんだけど、1.2万円と言われて自分で買う事にした。
eBay で送料込み5千円弱。

さて、組み立て開始。

合わせ面をオイルストーンで軽く磨き、脱脂して、ヘッドガスケットに薄く液ガスを塗って、ヘッドの組み付け。

内側の4本ボルトは再使用。外側の袋ナット2つは新品に交換。

ヘッドカバーとの合わせ面はガスケットレスなので、古いガスケットを丁寧に除去してオイルストーンで磨いておく。
カムチェーンは落とさないように針金で引っかけて、ガイドを忘れないように入れる。

カムの取付け。

ピストンを上死点に合わせて、ギアの印がヘッドと水平になるような位置でチェーンを引っかける。

ヘッドとヘッドカバーの合わせ面を脱脂し、液ガスを薄く塗って組み付け。
ヘッドカバーのボルトは、当然全部新品に交換。

組み終わったら、タペットクリアランスを調整して、タペットカバーを付けて完成。

ちなみに、マニュアルには、上死点を出す時は「Tマーク」に合わせろと書いてあるんだけど、フライホイールを回してもTマークが見つからないというか、この「Iマーク」が出てくるのよね。

色々調べたけど、やっぱりTマークだと言うし、頭を悩ませながらもうちょっとフライホイールを回すと、今度はHマークが出てきた。

えっ?H?さすがにそれじゃ無いよなぁと思いながらもう少し回すと、出てきましたTマーク。

と言う訳で、フライホイールにはマークが3つあって、I、H、Tの順番で出てくる。

HとTは近接していて、どちらに合わせてもカムの位置は変わりませんでした (^^;