発動編
2006/01/13
1.再起動

半年以上経ち、そのうちになんとか資金計画にも目処が立って、いよいよ計画を本格的に進め始める。

これまでに色々な家を見て、色々と考えてきたが、やっぱり家を建てるならスウェーデンハウスで建てたいという気持ちが強くある。

一旦あの遮音性能と保温性能、そして木の匂いを知ってしまうと、防音サッシなのに外を走る車の音がガンガン聞こえ、カーテンを開けると冷え冷えした空気が降りてくる現在の住まいの難点をなんとかしたいと言う気持ちがどんどん膨らんでくる。

でも素人の悲しさ、何をポイントにして家を考えればいいのかさっぱり分からない。そこで参考にしたのが、

の3冊と、色々なインターネットのサイト。

「建てる前に読む本」は住宅を建てる事に関する基礎知識、「間違いだらけのハウスメーカ選び3」はハウスメーカの営業さんの営業トークを聞くための基礎知識、「安らぐ家は「間取り」決まる」は建て売りやメーカのプランの善し悪しを見るための基礎知識になった。

ちなみにこの3冊を読んでから、ハウスメーカの営業さんや建て売り住宅の販売員の説明を聞くと、なるほどなるほど、本に書いてある様な対応や売り込みをするなぁと、非常に面白かった。

2.安住の地を探して

家を建てる前に、何はともあれどこに住むかを決めなければならない。「行った事も無い遠くの地で新たに生活をはじめる」という事はさすがにできないので、通勤と生活、教育に問題が無く、ある程度土地勘のある地域で探す事にする。

新聞広告や不動産屋巡りをするとともに、これまでにあきらめずに連絡をくれ続けていたハウスメーカの営業さんに、土地を探している事を伝える。結局これまで粘っていたのは、スウェーデンハウスとスウェーデンホーム、そして積水ハウスである。阪急不動産やパナホームは手紙を送ってくるのみだし、一時期物凄く営業攻勢を掛けていた一条工務店は、ある日突然、パタッと音信不通になった。

しかしそうそう都合のいい土地が見つかるものでもなく、中々いい所が見つからないなあとちょっとあきらめムードが入り始めた頃にスウェーデンハウスの営業さんより自社の建築条件付き土地を販売している新興住宅地にモデルハウスがあるので、一度見に来てみないかと誘いを受ける。

しかし今までにほとんど行った事のない土地で且つ大分田舎、加えて最寄りの駅までバスか車を使わなければならない所なので今ひとつ気乗りしなかったのであるが、取り敢えずモデルハウスだけでも見に行く事にする。

ところがだ、

この新興住宅地って結構雰囲気が良い。
住宅地を色々見て回ったが、中には薄暗く活気が無い感じの所があったり危ない感じを受ける所があったり。逆に非常にハイソで自分たちの住む所じゃないという感じの所もあったりしたが、ここは明るくてカラッとしていて、分相応に落ち着いた雰囲気がある。しかし如何せん町から遠くて駅からも遠い。生活には車がほぼ必須で、免許の無い奥さんには辛い場所である。

でも、そもそも感じの良い住宅地であっても、まずは良い土地が無ければ話にならない。
取り敢えず現在空いていると言う土地を見せてもらうが、今一ピンとくる場所は無い。既に売却済になっている物件に三方道路の南向きの物があり、ここが空いていればいいのにねぇと営業さんに話していると、突然、「実はこの土地は2日程前に融資の問題でキャンセルになってまして...」という話になる。(後で聞くと、「ご主人はこの住宅地にあまり乗り気でなさそうだったので、あえて話をしなかった」という事)

あまりにもいきなりの展開に絶句していると、「取り敢えずがんばって2週間程おさえる事はできますので、その間にご検討されますか?」と水を向けてくるので、悩みながらも取り敢えずおさえてもらう事にした。

3.ひたすら悩む

土地をおさえてもらっている間に色々と検討する。

まずは営業さんからその住宅地に住んでいる人に内覧をお願いして、うちの奥さんに買い物の便利不便、学校の状況等の話を聞きに行ってもらう。
次に実際の環境を見るべく、休みに現地に出かけて歩いてみる。

一通り話を聞いて、自分の足で歩いてみた結果、この新興住宅地って雰囲気は悪くない。適度に静かで明るく、風の通りもよく、非常に済みやすそうな雰囲気である。でも、やはり通勤に時間がかかるのと、生活に車が必須になるのがネック。また子供の夜間、休日診療施設が近くには無く、車で1時間近く離れた医療施設まで行かなければならないので、どうしても奥さんも免許を取る必要がある。自分たちが年を取ってからの医療施設にも非常に不安がある。

もうここからは集中した、濃密な悩みと検討の時間。

夫婦二人で色々と悩んで相談し合い、何をとって何を捨てるかを検討する。

その結果、便利な生活環境を捨ててでも、子供が自由に遊べて、自分たちがある程度年をとるまで楽に暮らせる場所で、自分たちの気に入った家を建てて住む方が良い、という結論に至る。要はここに決めて、奥さんは免許を取りましょうという事ですね。

で、土地をなんとかおさえておけるのは2週間が限界なので、それ以上話を進めるにはとにかく契約をしなければならない。そこで突貫工事で建築プランを立ててもらって設計のF氏、営業のS氏と検討するが、出てきたプランでは庭もほとんど取れず、予算も大きくオーバしているもの。

子供が遊ぶ庭は十分に取れないし予算は大きくオーバするでは到底契約する事はできない。その事を電話で営業のS氏に伝え、自宅にきてもらって色々と相談、検討する。両者だんだんと笑顔が出なくなり、時には険悪なムードにもなりかけながら話し合った結果、どうしても契約をしないと土地をおさえる事はできないので、納得するプランができなければ、また価格に折り合いがつかなければ、無条件に契約を解消するという条件付きで契約を行う事になる。(ここで両者ともほっとした表情で、漸く笑顔も出る)

さて、ここからいよいよ本格的に設計に入る訳であり、これからが本当の苦労の始まり。